【最終話】『力ある者、適性なき者』
栞子 「……認めるんですね?」
愛 「うん。……私が…」
「待ちなさい!!!」
愛 「っ!?」
侑 「えっ!?」
突然生徒会室に現れたその人物は、校内中に響き渡るかのような大声で、そう叫んだ。
?? 「…私よ。賭け麻雀をしてたのは」
愛 「え…?」
栞子 「……認めるんですね?」
愛 「うん。……私が…」
「待ちなさい!!!」
愛 「っ!?」
侑 「えっ!?」
突然生徒会室に現れたその人物は、校内中に響き渡るかのような大声で、そう叫んだ。
?? 「…私よ。賭け麻雀をしてたのは」
愛 「え…?」
256: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:12:29.22 ID:KntVYoFE
栞子 「あ…あなた……」
侑 「? 会長さん、知ってる人?」
栞子 「……どうして、ここにいるんですか? ランジュ!!」
ランジュ 「栞子! 久しぶり!」
歩夢 「ランジュ……さん?」
栞子 「どうしてこんな所に……香港に行っていたのでは?」
ランジュ 「事情があってね。日本に帰ってきたの。ミアを連れてね」
ミア 「…Hello」
侑 「? 会長さん、知ってる人?」
栞子 「……どうして、ここにいるんですか? ランジュ!!」
ランジュ 「栞子! 久しぶり!」
歩夢 「ランジュ……さん?」
栞子 「どうしてこんな所に……香港に行っていたのでは?」
ランジュ 「事情があってね。日本に帰ってきたの。ミアを連れてね」
ミア 「…Hello」
257: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:13:12.05 ID:KntVYoFE
栞子 「本当に、いつも勝手と言うか……連絡くらいくれてもよかったではないですか」
ランジュ 「ごめんごめん! 同好会の子たちに会いたくて、急いで飛んできたものだから」
しずく 「私達に?」
ランジュ 「えぇ。なのに早々、ピンチな感じだったから。助けに来たのよ」
愛 「あの…なんで自分から罪をかぶりに…」
ランジュ 「言ったでしょ。あなた達に会いに来たって。それなのに愛、あなたが退学になったら意味ないじゃない」
愛 「でも、それであなたが退学になったら…!」
ランジュ 「その点は心配いらないわ。ね、栞子?」
ランジュ 「ごめんごめん! 同好会の子たちに会いたくて、急いで飛んできたものだから」
しずく 「私達に?」
ランジュ 「えぇ。なのに早々、ピンチな感じだったから。助けに来たのよ」
愛 「あの…なんで自分から罪をかぶりに…」
ランジュ 「言ったでしょ。あなた達に会いに来たって。それなのに愛、あなたが退学になったら意味ないじゃない」
愛 「でも、それであなたが退学になったら…!」
ランジュ 「その点は心配いらないわ。ね、栞子?」
258: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:14:26.96 ID:KntVYoFE
栞子 「……そうですね」
歩夢 「どういうこと?」
栞子 「彼女…ランジュは、この学園の理事長の娘なんです」
かすみ 「えぇっ!?」
ランジュ 「つまり先生方も、賭け麻雀の犯人が理事長の娘となれば、揉み消す方向に動くはずよ」
侑 「そんな、無茶苦茶な…」
栞子 「…ですが事実、そうなるでしょうね。職権乱用と言えばいいのか…」
彼方 「でもでも、これで愛ちゃんの退学はなくなったんだよね!!」
ランジュ 「えぇ! だから安心しなさい!」
歩夢 「ありがとう…って言っていいのかな。でも、どうしてそこまでして私たちのことを?」
歩夢 「どういうこと?」
栞子 「彼女…ランジュは、この学園の理事長の娘なんです」
かすみ 「えぇっ!?」
ランジュ 「つまり先生方も、賭け麻雀の犯人が理事長の娘となれば、揉み消す方向に動くはずよ」
侑 「そんな、無茶苦茶な…」
栞子 「…ですが事実、そうなるでしょうね。職権乱用と言えばいいのか…」
彼方 「でもでも、これで愛ちゃんの退学はなくなったんだよね!!」
ランジュ 「えぇ! だから安心しなさい!」
歩夢 「ありがとう…って言っていいのかな。でも、どうしてそこまでして私たちのことを?」
259: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:15:25.80 ID:KntVYoFE
ランジュ 「あなた達、ネットに動画をアップしてたでしょ。それで興味を持ったの!」
エマ 「ということは、あなたも麻雀を?」
ランジュ 「こう見えてもかなり上手いのよ。あなた達はまさに、磨けば光る原石! 居てもたってもいられなくって、飛んできちゃったのよ」
しずく 「す、すごい行動力です……」
侑 「でもよかったよ。これで同好会の廃部も免れたし、新しい仲間も……」
ランジュ 「いえ、同好会は廃部よ」
侑 「……え?」
エマ 「ということは、あなたも麻雀を?」
ランジュ 「こう見えてもかなり上手いのよ。あなた達はまさに、磨けば光る原石! 居てもたってもいられなくって、飛んできちゃったのよ」
しずく 「す、すごい行動力です……」
侑 「でもよかったよ。これで同好会の廃部も免れたし、新しい仲間も……」
ランジュ 「いえ、同好会は廃部よ」
侑 「……え?」
260: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:16:23.80 ID:KntVYoFE
彼方 「どうして? 同好会に入るために来たんじゃ」
ランジュ 「違うわ。ランジュはあなたたちの可能性を磨きに来たのよ。そのために…」
ランジュ 「麻雀部を設立したのよ!」
かすみ 「ま、麻雀部!?」
ランジュ 「そう。そこにプロとして活動してる雀士を呼んだり、最新の設備を配置したりして、あなた達がより麻雀が強くなるようにプロデュースするのよ!」
しずく 「なんだか、すごいですね…」
かすみ 「でもそうなったら、かすみんの部長の座はどうなるんですか!」
ランジュ 「もちろん、部長はかすみのままでいいわよ。あなたは誰よりも才能があるんだから」
かすみ 「えぇっ、本当ですか~?」
ランジュ 「違うわ。ランジュはあなたたちの可能性を磨きに来たのよ。そのために…」
ランジュ 「麻雀部を設立したのよ!」
かすみ 「ま、麻雀部!?」
ランジュ 「そう。そこにプロとして活動してる雀士を呼んだり、最新の設備を配置したりして、あなた達がより麻雀が強くなるようにプロデュースするのよ!」
しずく 「なんだか、すごいですね…」
かすみ 「でもそうなったら、かすみんの部長の座はどうなるんですか!」
ランジュ 「もちろん、部長はかすみのままでいいわよ。あなたは誰よりも才能があるんだから」
かすみ 「えぇっ、本当ですか~?」
261: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:17:44.67 ID:KntVYoFE
侑 「部になるのかぁ。部費も上がるだろうし、そんな凄い設備を置けるなら、すごくいい話だよね! ランジュちゃん、これからよろし…」
ランジュ 「いえ、あなたはダメよ」
侑 「だ、ダメ?」
ランジュ 「さっきも言ったでしょ。ランジュは才能のある人材を磨きに来たの。才能のない人に割く時間はないの。それに労力の無駄」
歩夢 「無駄…っ!?」
愛 「ちょっと、そんな言い方…!」
ランジュ 「部は、お互いの雀力を磨き合う場にするのよ。麻雀は強さが全て」
エマ 「強さ……」
ランジュ 「麻雀は四人で対戦するゲーム。だけど同時に、全員が卓を成立させる“協力者”でもあるのよ」
ランジュ 「いえ、あなたはダメよ」
侑 「だ、ダメ?」
ランジュ 「さっきも言ったでしょ。ランジュは才能のある人材を磨きに来たの。才能のない人に割く時間はないの。それに労力の無駄」
歩夢 「無駄…っ!?」
愛 「ちょっと、そんな言い方…!」
ランジュ 「部は、お互いの雀力を磨き合う場にするのよ。麻雀は強さが全て」
エマ 「強さ……」
ランジュ 「麻雀は四人で対戦するゲーム。だけど同時に、全員が卓を成立させる“協力者”でもあるのよ」
262: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:19:18.75 ID:KntVYoFE
ランジュ 「真剣勝負の場を、弱者に乱されたら、堪らないでしょ?」
歩夢 「…ランジュちゃんの言うことも正しいかもしれない。でも私たちは、楽しく麻雀を打つのが一番の目標なんだ」
愛 「そうだよ。強さだけを目標にして、弱い人を排除していくやり方なんて……楽しくない」
ミア 「…ふんっ。“楽しい”なんて感情、勝負の場においては異物だよ」
栞子 「ミアさん…」
ミア 「ランジュが同好会の配信を見せてきたけど、正直腹が立った。勝負を履き違えてる」
侑 「履き違えてるって…?」
ランジュ 「ミアの家は、生粋のギャンブラー一家なの。かつてとあるカジノで、伝説と称された男の血を継ぐ、それがミア」
歩夢 「…ランジュちゃんの言うことも正しいかもしれない。でも私たちは、楽しく麻雀を打つのが一番の目標なんだ」
愛 「そうだよ。強さだけを目標にして、弱い人を排除していくやり方なんて……楽しくない」
ミア 「…ふんっ。“楽しい”なんて感情、勝負の場においては異物だよ」
栞子 「ミアさん…」
ミア 「ランジュが同好会の配信を見せてきたけど、正直腹が立った。勝負を履き違えてる」
侑 「履き違えてるって…?」
ランジュ 「ミアの家は、生粋のギャンブラー一家なの。かつてとあるカジノで、伝説と称された男の血を継ぐ、それがミア」
263: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:20:54.06 ID:KntVYoFE
ミア 「ボク自身も、ある程度名の知れたポーカープレイヤーなんだよ。まぁこんな田舎じゃ、知らない人がほとんどだろうけど」
ランジュ 「小さい頃から勝負の場で育った彼女から、教わることは多いはずよ。あなた達も部に…」
歩夢 「…嫌だ」
ランジュ 「えっ?」
歩夢 「嫌だ。私は部には入らない」
愛 「そうだね、アタシも同じ意見だよ」
ランジュ 「ど、どうして!? 強くなりたくないの?」
彼方 「もちろん、強くはなりたい。でも、彼方ちゃん達とあなた達とでは、目指してるものが違うんだと思う」
ランジュ 「小さい頃から勝負の場で育った彼女から、教わることは多いはずよ。あなた達も部に…」
歩夢 「…嫌だ」
ランジュ 「えっ?」
歩夢 「嫌だ。私は部には入らない」
愛 「そうだね、アタシも同じ意見だよ」
ランジュ 「ど、どうして!? 強くなりたくないの?」
彼方 「もちろん、強くはなりたい。でも、彼方ちゃん達とあなた達とでは、目指してるものが違うんだと思う」
264: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:22:35.00 ID:KntVYoFE
ランジュ 「…分からないわ。強くなりたいなら、こっちの環境の方が圧倒的に…」
しずく 「どんなに環境が良くても、みんなで一緒にいられないなら意味がありません」
栞子 「……残念ですがランジュ、これでは部の設立に人数が足りません」
ランジュ 「何人必要なの?」
栞子 「最低でも三人です」
ランジュ 「なーんだ、それなら足りてるじゃない!」
栞子 「足りてる? ランジュにミアさん、二人では…」
ランジュ 「ふふっ、もう一人は既に確保してるのよ」
?? 「……呼んだかしら」
しずく 「どんなに環境が良くても、みんなで一緒にいられないなら意味がありません」
栞子 「……残念ですがランジュ、これでは部の設立に人数が足りません」
ランジュ 「何人必要なの?」
栞子 「最低でも三人です」
ランジュ 「なーんだ、それなら足りてるじゃない!」
栞子 「足りてる? ランジュにミアさん、二人では…」
ランジュ 「ふふっ、もう一人は既に確保してるのよ」
?? 「……呼んだかしら」
265: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:23:36.66 ID:KntVYoFE
エマ 「…っ! 果林ちゃん…!?」
果林 「私が麻雀部の三人目よ。これで人数は足りたわね」
ランジュ 「遅いじゃない果林! 急いで生徒会室に来てって言ったでしょ?」
果林 「ゴメンなさいね。色々あって……」
ランジュ 「何はともあれ、これで三人。麻雀部の設立、認めてくれるわよね?」
栞子 「……仕方ありませんね」
ランジュ 「そういうわけだから! そして部と同好会で内容が被った以上、同好会は廃部よ」
かすみ 「そんな! 勝手過ぎますっ!!」
果林 「私が麻雀部の三人目よ。これで人数は足りたわね」
ランジュ 「遅いじゃない果林! 急いで生徒会室に来てって言ったでしょ?」
果林 「ゴメンなさいね。色々あって……」
ランジュ 「何はともあれ、これで三人。麻雀部の設立、認めてくれるわよね?」
栞子 「……仕方ありませんね」
ランジュ 「そういうわけだから! そして部と同好会で内容が被った以上、同好会は廃部よ」
かすみ 「そんな! 勝手過ぎますっ!!」
266: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:25:31.83 ID:KntVYoFE
ランジュ 「どうしても麻雀が打ちたいなら、麻雀部にいらっしゃい。いつでも歓迎するわ!」
ランジュ 「…………あなた以外は、ね」
ランジュは侑に向かってそう言うと、果林とミアと共に生徒会室から去って行った。
かすみ 「な、なんなんですかあの人っ!! 助けてくれたと思ったら、あんな酷い人だったなんて!」
栞子 「……申し訳ありません。みなさん」
侑 「会長さん…? どうして謝って…」
栞子 「…ランジュは元々、あんな人ではなかったんです」
彼方 「と言うと?」
ランジュ 「…………あなた以外は、ね」
ランジュは侑に向かってそう言うと、果林とミアと共に生徒会室から去って行った。
かすみ 「な、なんなんですかあの人っ!! 助けてくれたと思ったら、あんな酷い人だったなんて!」
栞子 「……申し訳ありません。みなさん」
侑 「会長さん…? どうして謝って…」
栞子 「…ランジュは元々、あんな人ではなかったんです」
彼方 「と言うと?」
267: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:27:17.76 ID:KntVYoFE
栞子 「ランジュと私は幼なじみでした。小さい頃のランジュは優しく、思いやりのあるいい子でした」
栞子 「ランジュは父から教わった麻雀を私にも教えてくれて、よく一緒に打っていました」
栞子 「…そんなある日です。ランジュに、ある能力が発現したんです」
愛 「能力って……麻雀の?」
栞子 「…はい。『ツモる牌を意のままに操る能力』です」
かすみ 「なんですか、それ…」
栞子 「ランジュは父から教わった麻雀を私にも教えてくれて、よく一緒に打っていました」
栞子 「…そんなある日です。ランジュに、ある能力が発現したんです」
愛 「能力って……麻雀の?」
栞子 「…はい。『ツモる牌を意のままに操る能力』です」
かすみ 「なんですか、それ…」
268: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:28:35.29 ID:KntVYoFE
栞子 「言葉のままの意味です。例えば…」
一一七九1289❼❽❾東北發
栞子 「開局時、親番の配牌がこうだったとします」
侑 「純全帯幺三色が見えるけど、カンチャンとペンチャンが多いね」
栞子 「はい。本来なら鳴きを駆使して進める手ですが、ランジュにその必要はありません」
栞子 「彼女が念じれば、思うように牌をツモることができます。つまり……」
一巡目
一一七九1289❼❽❾東發 ツモ:八 打:發
二巡目
一一七八九1289❼❽❾東 ツモ:3 打:東
三巡目
一一七八九12389❼❽❾ ツモ:7
一一七九1289❼❽❾東北發
栞子 「開局時、親番の配牌がこうだったとします」
侑 「純全帯幺三色が見えるけど、カンチャンとペンチャンが多いね」
栞子 「はい。本来なら鳴きを駆使して進める手ですが、ランジュにその必要はありません」
栞子 「彼女が念じれば、思うように牌をツモることができます。つまり……」
一巡目
一一七九1289❼❽❾東發 ツモ:八 打:發
二巡目
一一七八九1289❼❽❾東 ツモ:3 打:東
三巡目
一一七八九12389❼❽❾ ツモ:7
269: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:30:35.92 ID:KntVYoFE
しずく 「…こんなことが、本当に?」
栞子 「三向聴なら三巡。たとえ手が悪く、五向聴だったとしても、五巡あればアガってしまいます」
かすみ 「そんなに強い人だったんですね…」
栞子 「この能力を得てから、彼女は負け知らずでした。それこそ、彼女に麻雀を教えた父にさえも」
栞子 「ですがそんな麻雀が、彼女自身を狂わせ始めたんです」
エマ 「能力が人を…?」
栞子 「ランジュは牌と同じように、人も自分の意のままに動くと思い始めてしまったんです。…事実、彼女の周りの人間は、ランジュの言う通りに動いてましたから、そんな考えになってしまうのも無理もないことかもしれません」
侑 「能力が恐ろしい力だって言ってたのは、それが理由だったんだね」
栞子 「三向聴なら三巡。たとえ手が悪く、五向聴だったとしても、五巡あればアガってしまいます」
かすみ 「そんなに強い人だったんですね…」
栞子 「この能力を得てから、彼女は負け知らずでした。それこそ、彼女に麻雀を教えた父にさえも」
栞子 「ですがそんな麻雀が、彼女自身を狂わせ始めたんです」
エマ 「能力が人を…?」
栞子 「ランジュは牌と同じように、人も自分の意のままに動くと思い始めてしまったんです。…事実、彼女の周りの人間は、ランジュの言う通りに動いてましたから、そんな考えになってしまうのも無理もないことかもしれません」
侑 「能力が恐ろしい力だって言ってたのは、それが理由だったんだね」
270: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:32:57.25 ID:KntVYoFE
栞子 「……能力は、呪いなんです」
歩夢 「呪い?」
栞子 「強力すぎるが故、その人自身を歪めてしまう…」
栞子 「あの頃のようなランジュに戻って欲しい。そんな想いが、私の『能力を消す』という能力を開花させたのかもしれませんね」
侑 「栞子ちゃん……」
栞子 「…喋りすぎました。申し訳ありません、私はこれで」
生徒会室から去ろうとする栞子の腕を、侑が力強く掴んだ。
侑 「……栞子ちゃん。私たちに、麻雀を教えて欲しい」
歩夢 「呪い?」
栞子 「強力すぎるが故、その人自身を歪めてしまう…」
栞子 「あの頃のようなランジュに戻って欲しい。そんな想いが、私の『能力を消す』という能力を開花させたのかもしれませんね」
侑 「栞子ちゃん……」
栞子 「…喋りすぎました。申し訳ありません、私はこれで」
生徒会室から去ろうとする栞子の腕を、侑が力強く掴んだ。
侑 「……栞子ちゃん。私たちに、麻雀を教えて欲しい」
271: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:34:48.77 ID:KntVYoFE
栞子 「…あなた、まだ麻雀を続けるつもりですか?」
侑 「もちろん」
栞子 「聞いていなかったんですか!? 麻雀の能力は、人を歪めるんです! そうならないうちに、あなた達は麻雀から足を洗うべきです!」
侑 「じゃあランジュちゃんを、あのまま放っておくの!?」
栞子 「っ…それは……」
愛 「…会長さん、知ってる? 人って、変われるんだよ」
栞子 「変われる…?」
璃奈 「私と愛さんを変えてくれたのは、他でもない同好会の人たち。きっと、ランジュさんだって変えてくれる」
侑 「もちろん」
栞子 「聞いていなかったんですか!? 麻雀の能力は、人を歪めるんです! そうならないうちに、あなた達は麻雀から足を洗うべきです!」
侑 「じゃあランジュちゃんを、あのまま放っておくの!?」
栞子 「っ…それは……」
愛 「…会長さん、知ってる? 人って、変われるんだよ」
栞子 「変われる…?」
璃奈 「私と愛さんを変えてくれたのは、他でもない同好会の人たち。きっと、ランジュさんだって変えてくれる」
273: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:36:23.54 ID:KntVYoFE
エマ 「…取り戻したいんでしょ? あの頃のランジュちゃんを」
栞子 「っ……」
侑 「でも今の私たちじゃ、ランジュちゃんにはきっと適わない。だから私たちに、麻雀を教えて欲しい」
歩夢 「お願い、協力して欲しい! 同好会は、大切な場所なの…!」
栞子 「…本当に、取り戻せるんですか? あの頃を」
侑 「私たちならきっとできるよ。やろう、栞子ちゃん!」
栞子 「……っ」
──栞子は、さしのべられた手を、強く握り返した。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
栞子 「っ……」
侑 「でも今の私たちじゃ、ランジュちゃんにはきっと適わない。だから私たちに、麻雀を教えて欲しい」
歩夢 「お願い、協力して欲しい! 同好会は、大切な場所なの…!」
栞子 「…本当に、取り戻せるんですか? あの頃を」
侑 「私たちならきっとできるよ。やろう、栞子ちゃん!」
栞子 「……っ」
──栞子は、さしのべられた手を、強く握り返した。
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274: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:38:41.80 ID:KntVYoFE
【エピローグ】
──せつ菜ちゃん、久しぶり。高咲侑です。
今あなたがどこにいるか分からないから、この手紙を送ることは出来ないけど。
なんだか最近色々あったから、今の状況とか、気持ちとか。そういうのを色々整理するために、手紙を書きます。
私たちは今、打倒麻雀部を目指して、栞子ちゃんに麻雀の特訓をしてもらっています。
そんなことまで考えて打ってるの!? と驚いてばかりで、ついていけるか不安な毎日です。
……でも、頑張るよ。
せつ菜ちゃんから受け継いだ、『麻雀の楽しさを広める』、その夢を叶えるために。
──せつ菜ちゃん、久しぶり。高咲侑です。
今あなたがどこにいるか分からないから、この手紙を送ることは出来ないけど。
なんだか最近色々あったから、今の状況とか、気持ちとか。そういうのを色々整理するために、手紙を書きます。
私たちは今、打倒麻雀部を目指して、栞子ちゃんに麻雀の特訓をしてもらっています。
そんなことまで考えて打ってるの!? と驚いてばかりで、ついていけるか不安な毎日です。
……でも、頑張るよ。
せつ菜ちゃんから受け継いだ、『麻雀の楽しさを広める』、その夢を叶えるために。
275: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:40:28.47 ID:KntVYoFE
だから、見守っていてください。
そしていつでも、あなたの帰りを待っています。
私たちも進み続けます。それぞれの想いを胸に、いつかみんなが楽しく、麻雀を打てるように。
侑 「……リーチっ!!」
──やっぱり私は、麻雀が大好きだ。
ーーーーーー
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ーー
そしていつでも、あなたの帰りを待っています。
私たちも進み続けます。それぞれの想いを胸に、いつかみんなが楽しく、麻雀を打てるように。
侑 「……リーチっ!!」
──やっぱり私は、麻雀が大好きだ。
ーーーーーー
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ーー
276: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 13:42:05.19 ID:KntVYoFE
【SS】愛 「開花宣言❁嶺上開花」
~2nd Season~
[完]
~2nd Season~
[完]
279: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 14:13:58.21 ID:z1XDgzAT
栞子ならランジュに勝てるのか?
それとも強さの差で打ち消せないのか
それとも強さの差で打ち消せないのか
280: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/02/14(日) 14:19:48.91 ID:RAf4nrsF
乙乙
全体的に縛りの強い能力が多いし呪いと呼ばれても仕方ないな
全体的に縛りの強い能力が多いし呪いと呼ばれても仕方ないな
282: 名無しで叶える物語(たこやき) 2021/02/14(日) 15:56:56.39 ID:rUC5iIoq
おつでした。ランジュの登場で驚いたけど、よく考えたら栞子がすでに会長だから出てきてもおかしくないんだった
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1612522095/

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