かすみ「偉く唐突ですね、エマ先輩」
エマ「うん……突然なのはごめんね、でも、もう我慢できないの」
彼方「と言うと~?」
エマ「璃奈ちゃん、いつも私たちに甘えるのを我慢してるって感じなんだ」
かすみ「ん~、かすみん的にはそう見えませんけどねぇ」
エマ「かすみちゃんの見た璃奈ちゃんが全てってわけじゃないよね?」
かすみ「まぁ、それはそうですけどねぇ」
エマ「うん……突然なのはごめんね、でも、もう我慢できないの」
彼方「と言うと~?」
エマ「璃奈ちゃん、いつも私たちに甘えるのを我慢してるって感じなんだ」
かすみ「ん~、かすみん的にはそう見えませんけどねぇ」
エマ「かすみちゃんの見た璃奈ちゃんが全てってわけじゃないよね?」
かすみ「まぁ、それはそうですけどねぇ」
2: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 16:29:56 ID:???00
彼方「じゃあじゃあ、エマちゃんはどんな璃奈ちゃんを見てそう思ったの~?」
エマ「うん、あれは三日前……」
かすみ「あ、回想入るんですね」
エマ「よーしよしよしよし……」
ランジュ「ふふっ、エマの膝枕ってあったかいわね……このまま眠れ……そ……う」
栞子「ね、寝てしまいました……」
エマ「ランジュちゃんも疲れてたんだね~」
璃奈「……」
エマ「……璃奈ちゃんも、後で膝枕してあげよっか?」
璃奈「……ん、大丈夫。
私は良いから、ランジュさんを寝かせてあげて」
エマ「そう……?」
エマ「うん、あれは三日前……」
かすみ「あ、回想入るんですね」
エマ「よーしよしよしよし……」
ランジュ「ふふっ、エマの膝枕ってあったかいわね……このまま眠れ……そ……う」
栞子「ね、寝てしまいました……」
エマ「ランジュちゃんも疲れてたんだね~」
璃奈「……」
エマ「……璃奈ちゃんも、後で膝枕してあげよっか?」
璃奈「……ん、大丈夫。
私は良いから、ランジュさんを寝かせてあげて」
エマ「そう……?」
3: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 16:34:10 ID:???00
エマ「って、ことがあったの」
かすみ「それだけですか?」
エマ「うぅん、その前の日、次の日……ともかく、そんな感じの璃奈ちゃんを最近見てるの」
かすみ「そうなんですかぁ……にしても、ピンポイントでかすみんがいない時ですね」
エマ「偶然かなぁ」
彼方「きっと、同級生で一番近い距離にいるかすみちゃんには悟られたくなかったんじゃないかなぁ~」
かすみ「エマ先輩たちには良いんですか」
彼方「うん、良かったんじゃない? もしくは、何かしら気付いて欲しかったのかも」
エマ「SOS、ってことなのかな?」
かすみ「りな子なりに、何かを求めてるんですねぇ」
彼方「つまり、私たち3人で自主的に動いてあげるのがいいのかもねぇ」
エマ「じゃあ、有無を言わさないでお世話してあげるのがいいのかな?」
かすみ「なんか無理矢理感が凄いですけど、そうかもしれませんねぇ」
かすみ「それだけですか?」
エマ「うぅん、その前の日、次の日……ともかく、そんな感じの璃奈ちゃんを最近見てるの」
かすみ「そうなんですかぁ……にしても、ピンポイントでかすみんがいない時ですね」
エマ「偶然かなぁ」
彼方「きっと、同級生で一番近い距離にいるかすみちゃんには悟られたくなかったんじゃないかなぁ~」
かすみ「エマ先輩たちには良いんですか」
彼方「うん、良かったんじゃない? もしくは、何かしら気付いて欲しかったのかも」
エマ「SOS、ってことなのかな?」
かすみ「りな子なりに、何かを求めてるんですねぇ」
彼方「つまり、私たち3人で自主的に動いてあげるのがいいのかもねぇ」
エマ「じゃあ、有無を言わさないでお世話してあげるのがいいのかな?」
かすみ「なんか無理矢理感が凄いですけど、そうかもしれませんねぇ」
4: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 16:49:30 ID:???00
エマ「じゃあ、早速どんなことをするか計画を立ててみよっか!」
彼方「賛成~」
かすみ「お昼休み中に出来ますかね……」
カキカキ、あーでもないこーでもない、サラサラ……
────
エマ「よしっ、なんとかまとまったね」
彼方「じゃあ放課後に実践してみよっかぁ」
かすみ「りな子の驚く顔が楽しみですねぇ……」
彼方「賛成~」
かすみ「お昼休み中に出来ますかね……」
カキカキ、あーでもないこーでもない、サラサラ……
────
エマ「よしっ、なんとかまとまったね」
彼方「じゃあ放課後に実践してみよっかぁ」
かすみ「りな子の驚く顔が楽しみですねぇ……」
7: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 18:37:18 ID:???00
────放課後、部室
璃奈「……」
カタカタカタカタカタカタ……カッターン
璃奈「……よし、璃奈ちゃんボード30号、調整完了」
エマ「璃奈ちゃ~ん」
璃奈「ん」
エマ「……」
チョイチョイ(おいでおいで、の仕草)
璃奈「?」
スタスタ
エマ「膝枕、どう?」
璃奈「……彼方さんや果林さんは?」
エマ「璃奈ちゃんに聞いてるんだよ。
それと、2人は今愛ちゃんたちが作ったゲームを体験してるんだって」
璃奈「そうなんだ」
エマ「それで、璃奈ちゃんはどうしたい?」
璃奈「……」
エマ「……」
璃奈「……じゃあ、お願いします」
エマ「おいで~」
璃奈「……」
カタカタカタカタカタカタ……カッターン
璃奈「……よし、璃奈ちゃんボード30号、調整完了」
エマ「璃奈ちゃ~ん」
璃奈「ん」
エマ「……」
チョイチョイ(おいでおいで、の仕草)
璃奈「?」
スタスタ
エマ「膝枕、どう?」
璃奈「……彼方さんや果林さんは?」
エマ「璃奈ちゃんに聞いてるんだよ。
それと、2人は今愛ちゃんたちが作ったゲームを体験してるんだって」
璃奈「そうなんだ」
エマ「それで、璃奈ちゃんはどうしたい?」
璃奈「……」
エマ「……」
璃奈「……じゃあ、お願いします」
エマ「おいで~」
8: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 18:41:32 ID:???00
璃奈「……」
ゴロンッ
エマ「よ~しよしよしよし」
ナデナデ
璃奈「……」
エマ「どうかな?」
璃奈「気持ちいい……眠くなって来た」
エマ「じゃあ寝ちゃおっか」
璃奈「うん……」
スヤァ……
ゴロンッ
エマ「よ~しよしよしよし」
ナデナデ
璃奈「……」
エマ「どうかな?」
璃奈「気持ちいい……眠くなって来た」
エマ「じゃあ寝ちゃおっか」
璃奈「うん……」
スヤァ……
9: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 18:43:57 ID:???00
────
璃奈「ん……」
パチッ
璃奈「ん、あれ……」
エマ「おはよう、璃奈ちゃん」
璃奈「! 眠ってた……何時間? 今何時?」
エマ「1時間だよ。よく眠ってたね」
璃奈「……1時間も、エマさんの上で?」
エマ「うん、ぐっすりと」
璃奈「ごめんなさい、1時間も負荷かけて」
エマ「全然大丈夫だよ~。それに、璃奈ちゃんの寝顔が見られて私も嬉しかったから。
ガンプラ、って奴だよ」
璃奈「……眼福って言いたかったの?」
エマ「そう、それ!」
璃奈「ん……」
パチッ
璃奈「ん、あれ……」
エマ「おはよう、璃奈ちゃん」
璃奈「! 眠ってた……何時間? 今何時?」
エマ「1時間だよ。よく眠ってたね」
璃奈「……1時間も、エマさんの上で?」
エマ「うん、ぐっすりと」
璃奈「ごめんなさい、1時間も負荷かけて」
エマ「全然大丈夫だよ~。それに、璃奈ちゃんの寝顔が見られて私も嬉しかったから。
ガンプラ、って奴だよ」
璃奈「……眼福って言いたかったの?」
エマ「そう、それ!」
10: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 18:46:28 ID:???00
璃奈「眼福、なら良かった」
エマ「? うん、璃奈ちゃんも眠れて疲れが取れたみたいで良かった~」
璃奈「うん……ありがとうございました」
ぐぅぅぅ~……
璃奈「ん……」
エマ「お腹空いたのかな?」
璃奈「少し……」
ガラッ
「あ~楽しかったぁ」
エマ「あ、彼方ちゃん」
璃奈「彼方さん。果林さんと愛さんは?」
彼方「2人なら、ゲームで決着がつかなくなっちゃって、最終的にかけっこ始めちゃったよ~」
璃奈「何故に……」
彼方「それは彼方ちゃんが知りたい」
エマ「? うん、璃奈ちゃんも眠れて疲れが取れたみたいで良かった~」
璃奈「うん……ありがとうございました」
ぐぅぅぅ~……
璃奈「ん……」
エマ「お腹空いたのかな?」
璃奈「少し……」
ガラッ
「あ~楽しかったぁ」
エマ「あ、彼方ちゃん」
璃奈「彼方さん。果林さんと愛さんは?」
彼方「2人なら、ゲームで決着がつかなくなっちゃって、最終的にかけっこ始めちゃったよ~」
璃奈「何故に……」
彼方「それは彼方ちゃんが知りたい」
12: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 21:41:55 ID:???00
彼方「それより誰か、お腹空いてる? さっきすっごいお腹の音鳴ってたよ」
エマ「璃奈ちゃんと私、2人揃って鳴らしちゃった」
璃奈「えっ」
エマ「……」
ニコッ
璃奈「……うん、私とエマさん、2人ともお腹ペコペコ」
彼方「そうなんだぁ。なら、折角だし彼方ちゃんが1品作ってしんぜよう」
璃奈「作る……って、ここじゃ火は使えないし、食材も──」
彼方「ちっちっちー。璃奈ちゃん、彼方ちゃんのこと甘く見てるな~?
火も刃物も使えなくたって、作れる料理はあるのサ。
それに、食材ならさっき偶然ファンの子たちから色々貰ったからね」
璃奈「彼方さんは狛◯凪◯かなんかなの?」
彼方「誰それ」
璃奈「……運がすごくいい人」
彼方「別に彼方ちゃんの運の良さはフツーだと思うよぉ、多分」
エマ「璃奈ちゃんと私、2人揃って鳴らしちゃった」
璃奈「えっ」
エマ「……」
ニコッ
璃奈「……うん、私とエマさん、2人ともお腹ペコペコ」
彼方「そうなんだぁ。なら、折角だし彼方ちゃんが1品作ってしんぜよう」
璃奈「作る……って、ここじゃ火は使えないし、食材も──」
彼方「ちっちっちー。璃奈ちゃん、彼方ちゃんのこと甘く見てるな~?
火も刃物も使えなくたって、作れる料理はあるのサ。
それに、食材ならさっき偶然ファンの子たちから色々貰ったからね」
璃奈「彼方さんは狛◯凪◯かなんかなの?」
彼方「誰それ」
璃奈「……運がすごくいい人」
彼方「別に彼方ちゃんの運の良さはフツーだと思うよぉ、多分」
13: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 21:49:04 ID:???00
彼方「っしょっと、そうこう話してるうちに完成」
エマ「もう出来たんだぁ、これは?」
彼方「うむ、彼方ちゃんお手製フルーツサンドだよ」
璃奈「一体どうやって……?」
彼方「簡単だよ。食パンに生クリームと、缶詰の果物を乗せてサンドするだけ。
食パンは購買部で買ったものを貰って、生クリームは自販機にある生クリーム缶、缶詰の果物は学園内にあるコンビニに売ってるもの……を、たまたま貰ったんだぁ。
で、こっちは缶詰のシロップとまたまた購買で売られてる牛乳を混ぜたあまぁいミルク」
璃奈「……凄い、貰ったものを無駄なく使って出来てる」
エマ「手間も少ないし、美味しいねぇ」
璃奈「もう食べてる」
彼方「璃奈ちゃんも、召し上がれ」
璃奈「はむ……美味しい。凄く美味しい」
彼方「良かったぁ。これ、簡単レシピだし火も刃物も使わないデザートとして人気なんだぁ。
璃奈ちゃんも、来年の文化祭で『クラスでカフェやるぞー!』とか、そういうことになったら提案してみるといいよ」
璃奈「……来、年」
彼方「? 彼方ちゃんたち、変なこと言った?」
璃奈「彼方さんたちのいない、文化祭……だよね」
彼方「まぁ~……そういうことにはなるねぇ」
璃奈「そうだよね……やっぱり」
彼方「璃奈ちゃん……?」
璃奈「……なんでもない」
エマ「もう出来たんだぁ、これは?」
彼方「うむ、彼方ちゃんお手製フルーツサンドだよ」
璃奈「一体どうやって……?」
彼方「簡単だよ。食パンに生クリームと、缶詰の果物を乗せてサンドするだけ。
食パンは購買部で買ったものを貰って、生クリームは自販機にある生クリーム缶、缶詰の果物は学園内にあるコンビニに売ってるもの……を、たまたま貰ったんだぁ。
で、こっちは缶詰のシロップとまたまた購買で売られてる牛乳を混ぜたあまぁいミルク」
璃奈「……凄い、貰ったものを無駄なく使って出来てる」
エマ「手間も少ないし、美味しいねぇ」
璃奈「もう食べてる」
彼方「璃奈ちゃんも、召し上がれ」
璃奈「はむ……美味しい。凄く美味しい」
彼方「良かったぁ。これ、簡単レシピだし火も刃物も使わないデザートとして人気なんだぁ。
璃奈ちゃんも、来年の文化祭で『クラスでカフェやるぞー!』とか、そういうことになったら提案してみるといいよ」
璃奈「……来、年」
彼方「? 彼方ちゃんたち、変なこと言った?」
璃奈「彼方さんたちのいない、文化祭……だよね」
彼方「まぁ~……そういうことにはなるねぇ」
璃奈「そうだよね……やっぱり」
彼方「璃奈ちゃん……?」
璃奈「……なんでもない」
14: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm 2024/12/27(金) 22:07:07 ID:???00
璃奈「フルーツサンド、美味しかった。
ありがとう、彼方さん」
彼方「あれ、もう帰るの?」
璃奈「璃奈ちゃんボードの調整も終わったから、だから……」
エマ「待って、璃奈ちゃん」
璃奈「……ん」
エマ「……何か、悩みとかない?」
璃奈「別に、特に悩んでることは……強いて言うならはんぺんが最近ネズミやら何やらを取ってきて見せてくることが多いくらい」
エマ「本当にそれだけ? なんだか最近の璃奈ちゃん、ちょっと元気ないように見えるよ」
璃奈「……そんなに悩んでない。
私は大丈夫だから、気にしないで。
じゃあ……」
ガラッ、テクテク……スタスタ……
彼方「うーん……何かあるね、これは」
エマ「……うん、きっとまた何か悩んでる。
けど、それを私たちに相談するのは嫌だ、っていうか……隠したいと思ってるみたい」
彼方「だねぇ……けど、彼方ちゃんたちがここで推測してたって答えは出ないし、色々と聞き回ったりしてみよっか。
あと……かすみちゃん探してこよっか、かすみちゃんも何かするはずだったのに、いないし」
エマ「あ、忘れてた」
彼方「ぅおい」
ありがとう、彼方さん」
彼方「あれ、もう帰るの?」
璃奈「璃奈ちゃんボードの調整も終わったから、だから……」
エマ「待って、璃奈ちゃん」
璃奈「……ん」
エマ「……何か、悩みとかない?」
璃奈「別に、特に悩んでることは……強いて言うならはんぺんが最近ネズミやら何やらを取ってきて見せてくることが多いくらい」
エマ「本当にそれだけ? なんだか最近の璃奈ちゃん、ちょっと元気ないように見えるよ」
璃奈「……そんなに悩んでない。
私は大丈夫だから、気にしないで。
じゃあ……」
ガラッ、テクテク……スタスタ……
彼方「うーん……何かあるね、これは」
エマ「……うん、きっとまた何か悩んでる。
けど、それを私たちに相談するのは嫌だ、っていうか……隠したいと思ってるみたい」
彼方「だねぇ……けど、彼方ちゃんたちがここで推測してたって答えは出ないし、色々と聞き回ったりしてみよっか。
あと……かすみちゃん探してこよっか、かすみちゃんも何かするはずだったのに、いないし」
エマ「あ、忘れてた」
彼方「ぅおい」
17: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 07:48:35 ID:???00
────
かすみ「りな子、つっかまえたっ!」
璃奈「むっ、離して……」
かすみ「ダメだよ。リアタイしたいテレビ番組とかそういうのがないなら離さないよ!」
璃奈「……なんで?」
かすみ「りな子と、ちゃんとお話したいから!」
璃奈「……」
かすみ「最近のりな子、なんか変だよ。
さっきだって、エマ先輩や彼方先輩にあんなにお世話されてたのに、ボードも使わないで黙々してたし!
何かあるなら、かすみんにくらいは話してよ。
だって、かすみんとりな子は同級生で、同じユニットで、ライバルで、仲間で、親友でしょ?」
璃奈「……」
かすみ「……どうしても、ダメ?」
璃奈「……いや、かすみちゃんには話す。
けど、出来れば彼方さんたちには言わないで欲しい」
かすみ「わ、わかった」
かすみ「りな子、つっかまえたっ!」
璃奈「むっ、離して……」
かすみ「ダメだよ。リアタイしたいテレビ番組とかそういうのがないなら離さないよ!」
璃奈「……なんで?」
かすみ「りな子と、ちゃんとお話したいから!」
璃奈「……」
かすみ「最近のりな子、なんか変だよ。
さっきだって、エマ先輩や彼方先輩にあんなにお世話されてたのに、ボードも使わないで黙々してたし!
何かあるなら、かすみんにくらいは話してよ。
だって、かすみんとりな子は同級生で、同じユニットで、ライバルで、仲間で、親友でしょ?」
璃奈「……」
かすみ「……どうしても、ダメ?」
璃奈「……いや、かすみちゃんには話す。
けど、出来れば彼方さんたちには言わないで欲しい」
かすみ「わ、わかった」
18: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 07:54:36 ID:???00
璃奈「ただ、その前にさっきかすみちゃんが何してたか知りたい」
かすみ「へ? さっき?」
璃奈「かすみちゃん、部室にいなかったのに私のこと見たような口ぶりだったから」
かすみ「あー……それはね、実はエマ先輩と彼方先輩とかすみんの3人で、りな子を元気づけよう、って作戦立ててたの。
で、エマ先輩は膝枕、彼方先輩はご飯でりな子を喜ばせよう、ってしてたの」
璃奈「……かすみちゃんは?」
かすみ「かすみんは『ナイショでーす』って言っといたけど、実際は決めてないよ」
璃奈「? なんで?」
かすみ「元々、これはエマ先輩曰くりな子が元気なさそうだから……って始めたことだけど、かすみんはりな子が元気なさそうなところなんて見てないし、本当にそうなのか確かめたかったのと……もし、2人が何かやっても元気が出ないなら、かすみんが直接お話聞こうと思って。
でもさ、2人はそんなの見逃さないタイプでしょ? だから、かすみん色々手を打ったってわけ」
璃奈「……私が元気だったらどうするの?」
かすみ「じゃ、今は元気ないんだ」
璃奈「質問に答えて」
かすみ「簡単だよ、その時はかすみんが衣装着て歌ってあげるだけ!」
璃奈「……そっか」
かすみ「へ? さっき?」
璃奈「かすみちゃん、部室にいなかったのに私のこと見たような口ぶりだったから」
かすみ「あー……それはね、実はエマ先輩と彼方先輩とかすみんの3人で、りな子を元気づけよう、って作戦立ててたの。
で、エマ先輩は膝枕、彼方先輩はご飯でりな子を喜ばせよう、ってしてたの」
璃奈「……かすみちゃんは?」
かすみ「かすみんは『ナイショでーす』って言っといたけど、実際は決めてないよ」
璃奈「? なんで?」
かすみ「元々、これはエマ先輩曰くりな子が元気なさそうだから……って始めたことだけど、かすみんはりな子が元気なさそうなところなんて見てないし、本当にそうなのか確かめたかったのと……もし、2人が何かやっても元気が出ないなら、かすみんが直接お話聞こうと思って。
でもさ、2人はそんなの見逃さないタイプでしょ? だから、かすみん色々手を打ったってわけ」
璃奈「……私が元気だったらどうするの?」
かすみ「じゃ、今は元気ないんだ」
璃奈「質問に答えて」
かすみ「簡単だよ、その時はかすみんが衣装着て歌ってあげるだけ!」
璃奈「……そっか」
19: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 07:57:16 ID:???00
璃奈「答えてくれてありがとう。
なら、私も悩んでること、話す」
かすみ「待ってました」
璃奈「……笑わないよね」
かすみ「かすみんが、人の悩みを笑うような子だと思う?」
璃奈「思わない、だから言う」
かすみ「じゃ、どーぞ」
璃奈「……寂しい」
かすみ「寂しい?」
璃奈「うん……今はもう冬、3年生の皆の卒業も、近い」
かすみ「確かに、かすみんたちも進級までもう少しだもんね」
なら、私も悩んでること、話す」
かすみ「待ってました」
璃奈「……笑わないよね」
かすみ「かすみんが、人の悩みを笑うような子だと思う?」
璃奈「思わない、だから言う」
かすみ「じゃ、どーぞ」
璃奈「……寂しい」
かすみ「寂しい?」
璃奈「うん……今はもう冬、3年生の皆の卒業も、近い」
かすみ「確かに、かすみんたちも進級までもう少しだもんね」
20: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 08:05:09 ID:???00
璃奈「……だから、エマさんに彼方さんに果林さんにミアちゃん、3年生ともお別れが近くて、寂しい」
かすみ「……確かに、そう意識するとちょっぴり寂しいよね。
もうエマ先輩に癒されるのも、寝てる彼方先輩を眺めるのも、果林先輩にからかわれるのも、ミア子と言い争うのも……二度と出来ないってわけじゃなくても、少なくとも、おんなじ制服を着て出来なくなっちゃう」
璃奈「……私は、それがたまらなく寂しい。
皆の卒業を意識する度に、皆のお別れを意識する度に、今までの思い出が頭をよぎって……寂しくて、寂しくて、胸がぎゅぅっ、って締め付けられて。
こんな想いをするくらいなら、もう思い出なんか作りたくない。
3年生の皆に甘えないでもいいような子になって、泣かずに送り出せるようになりたい」
かすみ「……」
璃奈「……だから、もうあの4人とは思い出も何もかも作らない。
笑って送れるように、泣かないようにしたいから」
かすみ「……」
璃奈「……だから、私はもう──」
かすみ「何、ふざけたこと言ってんだぁぁぁぁぁっ!」
璃奈「!?」
ペチーンッ!!!
かすみ「……確かに、そう意識するとちょっぴり寂しいよね。
もうエマ先輩に癒されるのも、寝てる彼方先輩を眺めるのも、果林先輩にからかわれるのも、ミア子と言い争うのも……二度と出来ないってわけじゃなくても、少なくとも、おんなじ制服を着て出来なくなっちゃう」
璃奈「……私は、それがたまらなく寂しい。
皆の卒業を意識する度に、皆のお別れを意識する度に、今までの思い出が頭をよぎって……寂しくて、寂しくて、胸がぎゅぅっ、って締め付けられて。
こんな想いをするくらいなら、もう思い出なんか作りたくない。
3年生の皆に甘えないでもいいような子になって、泣かずに送り出せるようになりたい」
かすみ「……」
璃奈「……だから、もうあの4人とは思い出も何もかも作らない。
笑って送れるように、泣かないようにしたいから」
かすみ「……」
璃奈「……だから、私はもう──」
かすみ「何、ふざけたこと言ってんだぁぁぁぁぁっ!」
璃奈「!?」
ペチーンッ!!!
21: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 08:14:11 ID:???00
かすみ「っ……いた、強く叩きすぎた……」
璃奈「? ぇ、いま、なんで自分の顔を……?」
かすみ「っ、りな子があんまりにもバカなこと言うから怒ったの! でも、りな子のことのは違うと思って、わざわざかすみんの可愛い顔犠牲覚悟でかすみんの顔を叩いたの!」
璃奈「??? え、は……?」
かすみ「いい? りな子! 確かにお別れは寂しいよ! 憧れた先輩たちと別れるのが寂しくて嫌なんて、かすみんだってそうだよ!
もうエマ先輩の優しいハグも、彼方先輩の可愛い寝顔も、果林先輩のちょっとえっちなカッコも、ミア子の綺麗な音楽も! もう部室であんな風に楽しんだり出来ないなんて寂しいよ! けど! それでも!」
璃奈「……」
かすみ「それでも、かすみんたちは前を向いて、新しい思い出を作っていくんだよ。
過去を寂しがって、イマにも未来にも目を向けないなんて、その人たちにシツレーじゃん!」
璃奈「……そんなの、私だってわかってるよ。
だから、余計な思い出を作らないようにして、心に余裕を作ろうと思って──」
かすみ「それは違うよ!」
璃奈「!?」
かすみ「りな子がしようとしてるのって、ただの逃避だよ。
きっと、別れの時までは泣かずにいられると思うよ。
でも……きっと、それはエマ先輩たちが卒業したあとに、後悔になって涙を流させにくるよ。
もっとあぁしておけば、こんなこともしておけば、って!」
璃奈「……!」
かすみ「別れが辛くても、泣いちゃうとしても……自分のために誰かが泣いてくれるのって、きっとエマ先輩たちにとっては、嬉しいことだよ。
確かにかすみんたちはその瞬間が辛くても、送り出したあとに後悔しないためにも、イマを楽しもうよ!」
璃奈「……そう、すれば……良かったんだ」
璃奈「? ぇ、いま、なんで自分の顔を……?」
かすみ「っ、りな子があんまりにもバカなこと言うから怒ったの! でも、りな子のことのは違うと思って、わざわざかすみんの可愛い顔犠牲覚悟でかすみんの顔を叩いたの!」
璃奈「??? え、は……?」
かすみ「いい? りな子! 確かにお別れは寂しいよ! 憧れた先輩たちと別れるのが寂しくて嫌なんて、かすみんだってそうだよ!
もうエマ先輩の優しいハグも、彼方先輩の可愛い寝顔も、果林先輩のちょっとえっちなカッコも、ミア子の綺麗な音楽も! もう部室であんな風に楽しんだり出来ないなんて寂しいよ! けど! それでも!」
璃奈「……」
かすみ「それでも、かすみんたちは前を向いて、新しい思い出を作っていくんだよ。
過去を寂しがって、イマにも未来にも目を向けないなんて、その人たちにシツレーじゃん!」
璃奈「……そんなの、私だってわかってるよ。
だから、余計な思い出を作らないようにして、心に余裕を作ろうと思って──」
かすみ「それは違うよ!」
璃奈「!?」
かすみ「りな子がしようとしてるのって、ただの逃避だよ。
きっと、別れの時までは泣かずにいられると思うよ。
でも……きっと、それはエマ先輩たちが卒業したあとに、後悔になって涙を流させにくるよ。
もっとあぁしておけば、こんなこともしておけば、って!」
璃奈「……!」
かすみ「別れが辛くても、泣いちゃうとしても……自分のために誰かが泣いてくれるのって、きっとエマ先輩たちにとっては、嬉しいことだよ。
確かにかすみんたちはその瞬間が辛くても、送り出したあとに後悔しないためにも、イマを楽しもうよ!」
璃奈「……そう、すれば……良かったんだ」
22: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 08:37:31 ID:???00
かすみ「……まだ、今からだって遅くない。
せっかくだから、今日この瞬間から、3年生の皆が卒業するまで、沢山思い出作ろうよ。
りな子」
璃奈「……うん、うん。
涙と一緒にあふれるくらい、いっぱい作る……! ごめん、そしてありがとう、かすみちゃん……!」
かすみ「……じゃあ、今から部室戻る?」
璃奈「うん……エマさんとも、彼方さんとも……沢山思い出作るよ……璃奈ちゃんボード『むんっ』!」
タッタッタッタッ……
せっかくだから、今日この瞬間から、3年生の皆が卒業するまで、沢山思い出作ろうよ。
りな子」
璃奈「……うん、うん。
涙と一緒にあふれるくらい、いっぱい作る……! ごめん、そしてありがとう、かすみちゃん……!」
かすみ「……じゃあ、今から部室戻る?」
璃奈「うん……エマさんとも、彼方さんとも……沢山思い出作るよ……璃奈ちゃんボード『むんっ』!」
タッタッタッタッ……
23: 名無しで叶える物語◆k4XEwfBm★ 2024/12/28(土) 08:37:41 ID:???00
おしまい
25: 名無しで叶える物語◆Fc4kOtIs★ 2024/12/28(土) 10:21:32 ID:???00
やっぱりかすみんって神だわ
26: 名無しで叶える物語◆G9vNJj6y★ 2024/12/29(日) 02:07:48 ID:???Sd
ええ話
28:
コメントする