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2: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:40:26.32 ID:9uugUKLy
 ―部室―


曜「これで――よし」

ルビィ「できたね~」


曜「これで完成した衣装が半分を超えたか」

ルビィ「だね」

曜「ルビィちゃんの方は?」

ルビィ「うん、こっちも大体は」

3: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:40:51.92 ID:9uugUKLy
曜「流石に九人分の衣装づくりは骨が折れるねぇ」

ルビィ「骨折しちゃうの!?」

曜「いやいや、比喩表現だよ」

ルビィ「あっ、そうだよね」

ルビィ「ちょっと恥ずかしい……」


曜「あはは、可愛いからセーフだよ」

ルビィ「笑わないでよぉ」

曜「ごめんごめん、ついね」

4: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:41:24.14 ID:9uugUKLy
曜「さて、ともかくそろそろ次の作業に――」


ルビィ「ピギッ!」


曜「ど、どうしたの」

ルビィ「え、えっと、針を指に刺しちゃった」

曜「あれま、ちょっと見せて」

ルビィ「うゅ……」

曜「疲れた?」

ルビィ「……ちょっとだけ」

5: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:41:50.44 ID:9uugUKLy
曜「今日はこのぐらいにしておこうか」

ルビィ「でも、もう少し進めた方がいいんじゃないかな」


曜「平気だよ」

曜「だいぶ作業は進んだし、まだ時間はあるから」

ルビィ「そうかな?」

曜「うん、ルビィちゃんが頑張ったおかげだよ」ナデナデ

ルビィ「え、えへへ」

6: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:42:23.50 ID:9uugUKLy
曜「さてと、じゃあ今日はどうしようか」

曜「門限は大丈夫な日なんだっけ」

ルビィ「お姉ちゃんに許可は貰ったから」

曜「よし、じゃあ私の家ね」

ルビィ「うん!」


曜「けど泊まりは無理だよね」

ルビィ「そうだね、そこまでは許してもらえなかった」

曜「そこが残念だなぁ」

7: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:42:49.90 ID:9uugUKLy
ルビィ「……曜ちゃん、変なこと考えてる」

曜「な、なんのことかな」

ルビィ「バレバレだよぉ」

曜「たはは、そりゃそうか」

曜「ルビィちゃんには敵わないね」


ルビィ「曜ちゃん、分かりやすいから」

曜「そんなに?」

ルビィ「ずっと一緒にいるから、考えてることが分かるようになっちゃった」

9: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:43:59.03 ID:9uugUKLy
曜「それならさ、私が今したいことは分かる?」

ルビィ「したいこと?」

曜「ルビィちゃんならきっと分かってくれるよ」

ルビィ「うーん、そうだなぁ……」

曜「ワクワク」


ルビィ「これとか?」チュッ

曜「大正解」ギュッ

ルビィ「もぅ、急に抱きつかないでよぉ」

曜「いいじゃん、ルビィちゃんを感じたくなったの」

ルビィ「曜ちゃんは甘えん坊さんだねぇ」

12: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:45:04.92 ID:9uugUKLy
曜「ルビィちゃんの前だけだよ」

曜「大切な恋人限定仕様の曜ちゃんだからね」


ルビィ「ルビィ限定の曜ちゃんかぁ」

曜「そうそう」

ルビィ「なんかいいね、素敵だよ」

曜「気に入ってもらえた?」

ルビィ「うん!」

14: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:46:10.26 ID:9uugUKLy
曜「それはともかく」

曜「そろそろ行かないとバスの時間に間に合わなくなるよ」

ルビィ「ピギッ、本当だ」


曜「私がお姫様抱っこして走ろうか」

ルビィ「うーん、それは恥ずかしいから嫌かな」

ルビィ「まだ歩いても十分に間に合う時間だよ」

曜「そっかぁ、残念」

曜「もっとルビィちゃんとスキンシップしたかったのに」

15: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:47:30.07 ID:9uugUKLy
ルビィ「それなら――はい」

ルビィ「一緒に手を繋いでいこう」

曜「ふふっ、ありがとう」


曜(握りしめる、小さくて柔らかい手)

曜「……本当に可愛いね、ルビィちゃん」

ルビィ「ルビィは曜ちゃんの方が可愛いと思うよ」

曜「私、可愛いタイプじゃないよ」

ルビィ「ううん、そんなことないよ」

ルビィ「ルビィにとっては、可愛い恋人さんだから」

16: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:48:07.93 ID:9uugUKLy
曜「……照れるね、流石に」

ルビィ「別に変なことは言ってないよ」

曜「普段は天使なのに時々小悪魔になるよね、ルビィちゃん」

ルビィ「リトルデーモン4号だからね」

曜「あー、その設定はまだ生きてたか」


ルビィ「その言い方だと善子ちゃん悲しむよ」

曜「善子ちゃんも最近は堕天使感薄れてきてるし、いいんじゃない?」

ルビィ「それは――確かにそうかもだね」

曜「でしょ」

17: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:48:45.92 ID:9uugUKLy
曜「今の善子ちゃんはさ、堕天使より芸人寄りだよね」

ルビィ「芸人さんかぁ」

曜「ボケの善子とツッコミの花丸、コンビ名はよしまる」

ルビィ「そのまんますぎない?」

曜「……私、捻るのは苦手だからさ」


ルビィ「でも二人とも、いつも楽しそうだもんね」

曜「ホント、仲良いよねぇ」

ルビィ「仲良し芸人さんだねぇ」

18: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:49:47.14 ID:9uugUKLy
曜「でもさ、ルビィちゃんは満足なの」

ルビィ「なにが?」

曜「一緒に漫才しないのも寂しくない?」


ルビィ「どうだろう」

ルビィ「ルビィは楽しそうな二人を見てるのが好きだから、別にいいかな」

曜「大人だねぇ」

ルビィ「でもマルちゃんと二人でいられないのは、少し寂しいかも」

19: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:50:33.90 ID:9uugUKLy
曜「あー、確かに昔ほどベッタリしなくなったよね、花丸ちゃんと」

ルビィ「うん」

ルビィ「昔は二人だけで生きてたから、その時よりはね」

曜「……その気持ち、分かるかも」


ルビィ「千歌ちゃんと曜ちゃん、ルビィとマルちゃんにちょっと似てるもんね」

曜「そうだね」

ルビィ「寂しいよね、二人きりの世界に他の人が入ってくると」

曜「……うん」

20: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:51:12.05 ID:9uugUKLy
ルビィ「ルビィもね、正直最初は少し辛かった」

ルビィ「でもね、今はそんなに気にならないんだ」

曜「どうして?」


ルビィ「今は曜ちゃんもいるから」

ルビィ「大切な人といれば、寂しさより嬉しさの方が上回るよ」


曜「私も、そうだね」

曜「ルビィちゃんが傍にいてくれるから、寂しさを感じなくなった」

ルビィ「えへへ、二人とも踏ん張るビィできたね」

21: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:51:52.53 ID:9uugUKLy
曜「……ごめん、もう無理」

ルビィ「うゅ?」


曜「駄目、愛おしすぎ」

曜「もう我慢できない、耐えられない」

ルビィ「ど、どうした――んっ」


曜「ここで、しよ」

曜「ちゃんと時間には帰れるようにするから、ね」



ルビィ「……曜ちゃんは、本当に甘えん坊なんだから」

22: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:53:14.25 ID:9uugUKLy
 ―黒澤家―


曜「こんばんは~」


ダイヤ「あら、曜さん」

ダイヤ「こんな時間にどうされたのですか?」

曜「えっと、ルビィちゃんを送りに」

ダイヤ「あら、でもルビィはどこに」


曜「えっと、ここに」クルッ

ルビィ「……ぅゅ」スヤスヤ

23: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:53:53.44 ID:9uugUKLy
ダイヤ「あらあら、これは……」

曜「疲れて眠っちゃったみたいで」


ダイヤ「高校生にもなって――申し訳ありません、妹が迷惑を」

曜「いえ、大丈夫ですよ」

曜「付き合わせちゃったのは私なんで」

曜「衣装づくりとかを頑張った結果だから、許してあげてください」

ダイヤ「……まあ、起きたら一言言っておきます」

24: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:54:22.78 ID:9uugUKLy
ダイヤ「曜さんは今から帰るのですか」

曜「そのつもりです」


ダイヤ「もう遅い時間ですから、泊まっていかれるとか――」

曜「大丈夫ですよ、まだバスもあるんで」

ダイヤ「せめて家の者に送らせましょうか?」

曜「本当に平気ですから」

ダイヤ「そうですか……」

25: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:54:54.57 ID:9uugUKLy
曜「ルビィちゃんにはよろしく伝えておいてください」

ダイヤ「分かりました」

ダイヤ「では曜さん、お気をつけて」

曜「はい」



曜(ルビィちゃん、大丈夫かな)

曜(一応、心の中では平謝り)

曜(どう考えても、私の我儘に付き合わせた結果だもんね)

曜(ただでさえ疲れているところ、あんなことしたら)

曜(年下だし、体力にも体格にも差があるんだから、もっと気をつけてあげないと)

26: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:55:51.44 ID:9uugUKLy
曜(嫌になるなぁ、自分の理性のなさ)

曜(千歌ちゃんに対する気持ちをずっと我慢していた)

曜(そんな忍耐を持っていたのが嘘みたい)

曜(いつもルビィちゃんには迷惑をかけっぱなし)

曜(反省しようにも、我慢できなくなって)


曜(でもたぶん、怒られたりはしないはずだよね)

曜(口では厳しいことを言っても、ダイヤさんは甘いから)

曜(私たちが衣装づくりが原因で遅くなったと勘違いしているはずだから)

27: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:56:27.06 ID:9uugUKLy
曜(私たちの関係を知っている人は、ほとんどいない)

曜(ダイヤさんには話せるわけない)

曜(黒澤家は間違っても、同性の恋人なんて認めないだろうから)


曜(普通に結婚して、子どもを産んで、後継者を残す)

曜(それが当然と教えられて育ったのに、ルビィちゃんは私を受け入れてくれた)

曜(別に同性愛者というわけでもないのに)

曜(元々、千歌ちゃんが好きな同性愛者だった私を)

28: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:57:02.68 ID:9uugUKLy
曜(私たちの馴れ初めはあまり褒められた話ではない)


曜(今日みたいに、一緒に衣装づくりをしていた時)

曜(あの時の私は、精神的に参っていたっけ)

曜(恋人ではなくてもずっと千歌ちゃんの一番だった私)

曜(そこに現れた、千歌ちゃんの新しい一番になるかもしれない女の子)


曜(元々、千歌ちゃんと恋人になるのは無理だと理解していた)

曜(けど幼馴染として、友達としては彼女の一番では居られると思っていたんだ)

29: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:57:31.23 ID:9uugUKLy
曜(そんな私に突きつけられた現実)

曜(梨子ちゃんが特別なのか、私との関係はその程度だったのか)

曜(理由はどうあれ、辛く耐え難い状況)

曜(私の心は、ずいぶんと追いつめられていた)


曜(そんな時、ふと魔が差したんだ)

曜(自分の横で無防備に作業をしている後輩)

曜(前から可愛いとは思っていた)

曜(元気で、人懐っこくて、千歌ちゃんに近い性質を持っているとも)

32: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:58:07.49 ID:9uugUKLy
曜(正直に言ってしまえば、誰でもよかったんだと思う)

曜(その時に抱いていた感情を解消することができれば)


曜(そして気づけば、ルビィちゃんに迫っていた)

曜(強引に、彼女の意志など無視して)

曜(最低最悪な、性犯罪者のように)


曜(その異常性に気づいたのは、行為が終わった後、正気に戻った時)

曜(ルビィちゃん曰く、直後の私は顔面蒼白だったらしい)

38: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:58:59.14 ID:9uugUKLy
曜(すぐに謝った)

曜(土下座して、思い浮かぶ限りのありったけの謝罪の言葉を吐き出して)

曜(そんなことで許されるわけのない行為だったのに)

曜(身勝手にも泣きながら、謝罪を繰り返していた)


曜(でもルビィちゃんは、そんな私を受け入れてくれた)

曜(『曜ちゃんは理由もなしにこんなことをする人じゃないよね』と言って)

曜(辛いのは、痛いのは、自分だったはずなのに)

曜(むしろ抱きしめて、慰めてくれて)

41: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 21:59:44.99 ID:9uugUKLy
曜(感情の堤防が決壊した私は、そこで洗いざらい話した)

曜(彼女は何も言わず、私の頭をやさしく撫でながら聞いてくれた)

曜(そして全て話し終わった後、言ったんだ)


曜(『ルビィは曜ちゃんの味方だよ』)

曜(『辛かったね、苦しかったよね』)

曜(『大丈夫だよ、ルビィは全部受け入れてあげるから』)


曜(その瞬間、私は自分の単純さを知った)

曜(一瞬にして、天使のようなその少女に、新しい恋をしてしまったから)

47: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:00:47.92 ID:9uugUKLy
 ―バス車内―


曜「――結局、そのみかんは千歌ちゃんが食べちゃってさ」

善子「はぁ、あの人らしいわねぇ」

曜「でしょー」


善子「色々不安になるわね、リーダーとしては」

曜「けどさ、それも千歌ちゃんのいいところだから」

善子「……相変わらず、千歌さんには贔屓目入りまくりね」

曜「そうかなぁ」

53: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:02:11.38 ID:9uugUKLy
花丸「……」

善子「あら、ずらマル」

曜「おはよう、花丸ちゃん」

花丸「……おはよう」


曜「ルビィちゃんは?」

善子「珍しいじゃない、一緒じゃないなんて」

花丸「今日はダイヤさんと登校するんだって」

曜「へぇ」

54: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:02:53.79 ID:9uugUKLy
梨子「それは一安心ね」

梨子「もう一人遅刻の人が居るのかと思っちゃったわ」

曜「あっ、梨子ちゃん」

善子「もう一人って?」


梨子「千歌ちゃんよ」

梨子「何度起こしても、寝こけていたんだから」

曜「あはは、それは」

梨子「ラブライブへ向けた大切な時期なのに、困ったものよ」

55: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:03:45.70 ID:9uugUKLy
善子「あっ、そういえばリリー」

梨子「リリーって言わないで」

善子「いいじゃない、そんなこと」

善子「それよりも、大切な話があるのよ」

梨子「なに?」

善子「これは上級リトルデーモンにしか伝えられない秘匿すべき特殊な情報」

善子「気軽に話せるものではないわ」

梨子「あ、うん。じゃあ前の方の席で話そうか」

善子「そうね!」

56: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:04:30.71 ID:9uugUKLy
曜「……」

花丸「……」


曜「えっと、取り残されちゃったね」

花丸「……そうだね」


曜(気まずいなぁ、花丸ちゃんと二人きりは)

曜(ルビィちゃんと付き合うようになってから、ずっとこの調子)

曜(私はすっかり嫌われてしまったみたい)

曜(朝、ルビィちゃんに合わせた時間のバスには、絶対に花丸ちゃんが居るのに)

57: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:05:35.35 ID:9uugUKLy
曜(ルビィちゃんが『花丸ちゃんには知ってもらいたい』というから、彼女にはある程度話してある)

曜(付き合い始めた経緯とかは抜きにして、恋人同士だってことぐらいだけど)


曜(実際、多少嫉妬みたいなことをされるかとは思っていた)

曜(でもまさかここまで敵意をむき出しになるなんて)

曜(彼女だって、可愛い後輩の一人)

曜(流石にこの反応はショックではある)

曜(同性同士の恋愛を知りながら、表立って反対しないだけマシなのかもしれないけど)

58: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:06:36.65 ID:9uugUKLy
曜「今日の練習、どんな予定だっけ」

花丸「さあ」


曜「ルビィちゃん、先に登校なんてどうしたんだろうね」

花丸「……本当はさ、起きられなかっただけみたいだよ」

曜「あれ、寝坊なの」

花丸「昨日の作業、ずいぶん大変だったみたいだからね」

曜「あっ」


曜(参ったなぁ)

曜(ルビィちゃん、花丸ちゃんには隠し事が上手くできないみたい)

59: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:07:17.31 ID:9uugUKLy
花丸「なんで、ルビィちゃんなの」

曜「なんでと言われても……」

花丸「曜ちゃんが好きなのは、千歌ちゃんのはずでしょ」

曜「いや、そんなことは――」


花丸「見ていれば分かるよ」

花丸「曜ちゃん、分かりやすいもん」

曜「……」

曜(花丸ちゃんにも言われるか、それ)

79: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:10:29.24 ID:9uugUKLy
花丸「ルビィちゃんを利用しないで」

花丸「千歌ちゃんの代わりじゃないんだよ、ルビィちゃんは」

曜「別に、そんなわけじゃ……」


花丸「言い訳なんていいよ」

花丸「どうせルビィちゃんのやさしさにつけこんだんでしょ」

花丸「千歌ちゃんが自分に振り向いてくれないからって」

花丸「それまで興味もなかったルビィちゃんに」

曜(……否定し辛い言葉が並ぶ)

86: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:11:19.11 ID:9uugUKLy
花丸「ルビィちゃん、曜ちゃんの所為でいつも大変なんだよ」

花丸「それが本当に自分を本当に想っている相手の為ならともかく、代替品扱いしているだけの相手の為なんて」

花丸「あり得ないよ、最低だよ」


曜「私は、ルビィちゃんが好きだよ」

花丸「嘘」

曜「嘘じゃない」

花丸「信じられないよ」

曜「信じてもらえなくても私はルビィちゃんが好きだよ。他の誰よりも」

花丸「っ」

92: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:12:07.01 ID:9uugUKLy
花丸「……外面だけはいいんだから」

曜「……ごめん」


花丸「マルは信じないよ、絶対に」

花丸「ルビィちゃんが曜ちゃんから離れるまで、説得を続ける」

花丸「止めたければ無理やり、力づくで抑え込めばいいんだよ」

花丸「曜ちゃんはできるでしょ、それが」

曜「……」

曜(言われなくても理解できるからこその親友、か)

98: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/11/30(金) 22:12:56.94 ID:9uugUKLy
曜(私は千歌ちゃんのことを理解できていなかった)

曜(見えていたのは外側、彼女が外へ発する主張だけ)

曜(一番の理解者みたいに振る舞って、周囲もそんな風に扱うから増長して)

曜(誰も内面を理解できる人がいなかったから、それでもよかった)


曜(けどもう、今は違う)

曜(千歌ちゃんの内側を理解する子が現れて、千歌ちゃんもその子を信頼して)

曜(理解できない私は、ただの友達、親友ですらないのかな)

119: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 00:35:26.36 ID:DvrLu86x
 ―放課後―


ルビィ「曜ちゃん、そっちはどう?」

曜「……」

ルビィ「曜ちゃん?」

曜「…………」

ルビィ「よーちゃん」

曜「――ち……ルビィちゃん」

120: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 00:35:54.96 ID:DvrLu86x
ルビィ「千歌ちゃんだと思った?」

曜「……最後のイントネーションで呼ぶのは、千歌ちゃんだけだから」

ルビィ「うーん、紛らわしかったかな」

ルビィ「ルビィ、声の高さは千歌ちゃんに近いもんね」

曜「あー、狙ってたなぁ」

ルビィ「てへっ」

曜「こらっ、この小悪魔ちゃん」わしゃわしゃ

ルビィ「あはは、髪が乱れちゃうよぉ」

121: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 00:57:19.22 ID:DvrLu86x
ルビィ「でも元気出たでしょ」

曜「……そうだね、ありがとう」

ルビィ「……まだ駄目かな」

曜「ううん、そんなことないよ」


ルビィ「ルビィは嫌だよ、元気のない曜ちゃんなんて」

ルビィ「曜ちゃんには、いつも笑顔でいてほしいの」

ルビィ「だからね、お話したいことがあったら、なんでも聞くよ」

122: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 00:58:05.92 ID:DvrLu86x
曜「それなら、一つだけ、質問してもいいかな」

ルビィ「うん」

曜「ルビィちゃんさ」

ルビィ「なぁに?」

曜「最初に私に迫られた時、どんな気持ちだった?」

ルビィ「どんなって?」

曜「怖くなかった、私」


ルビィ「……うん、少し怖かったかも」

ルビィ「女の子から迫られるなんて、考えたこともなかった」

ルビィ「しかもそれが大切な部活の先輩で、絶対に力じゃ敵わない相手」

123: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 00:58:51.27 ID:DvrLu86x
ルビィ「ルビィね、昔少し怖い目に遭ったの」

ルビィ「その時のことを少し思い出して、身体が動かなくて」

曜「……」

ルビィ「でもね、あれはルビィの所為だから」

ルビィ「ルビィが曜ちゃんのことを信じて、声をかけてあげられれば、きっとあんなことにはならなかったから」

曜「それは違うよ、悪いのは――」


ルビィ「曜ちゃんだけじゃないよ」

曜「ルビィちゃん……」

124: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 00:59:27.28 ID:DvrLu86x
曜「……私はさ、ルビィちゃんのやさしさにつけこんでいるだけなのかな」

曜「仕方がないから、可哀想だから、ルビィちゃんは私の相手をしてくれているのかな」


ルビィ「……信用無いね、ルビィも」

曜「ごめん」

ルビィ「いいよ、マルちゃんに何か言われたんでしょ」

曜「やっぱり、分かるんだ」

ルビィ「うん、親友だから」

曜「親友……」

125: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:00:16.77 ID:DvrLu86x
ルビィ「確かにね、本当は嫌でも断れなくて、同じことだったかもしれない」

ルビィ「でもね、元々ルビィは男の人が苦手だから」

ルビィ「女の子同士もそんなに嫌じゃなかったし、曜ちゃんは理性を失くしていてもやっぱりやさしかった」

ルビィ「元々尊敬していたし、大好きなだし」

ルビィ「曜ちゃんみたいな格好良くて素敵な人だったら、いいかなって」

ルビィ「えへへ、ちょっと俗っぽいかなぁ」


曜「……ルビィちゃん」

ルビィ「うん」

曜「私と花丸ちゃん、どっちが大事?」

ルビィ「……曜ちゃん」

曜「本当に?」

126: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:00:52.07 ID:DvrLu86x
ルビィ「ごめんね、本当は分からない」

ルビィ「恋人、親友、立場は違うけど二人とも大切な人。

ルビィ「でも曜ちゃんの前だから、曜ちゃんが望んでいるから」

ルビィ「ルビィはそれに応えたいから、曜ちゃんなの」


ルビィ「曜ちゃんだって、同じでしょ」

曜(……そうか)

ルビィ「ルビィと千歌ちゃん、どっちが大事?」

ルビィ「そんな風に聞かれたら、困っちゃうよね」

127: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:01:17.73 ID:DvrLu86x
曜「私は、ルビィちゃんだよ」

ルビィ「いいよ、正直になっても」

曜「違うよ、本当にルビィちゃんなの」


曜「確かにさっきまでだったら同じだったかもしれない」

曜「でもね、話せば話すほど、触れ合えば触れ合うほど、ルビィちゃんのことを好きになる、ルビィちゃんしか見えなくなる」

曜「だからね、今はルビィちゃんなの」

曜「ルビィちゃんが、一番なの」

128: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:01:48.37 ID:DvrLu86x
ルビィ「……ありがとう、曜ちゃん」

曜「ルビィちゃんは、私が一番じゃないの?」

ルビィ「ううん」

ルビィ「一番は曜ちゃん、誰よりも大切な人」

曜「……ありがと」ギュッ


ルビィ「……また、したい?」

曜「ううん、今はこれがいい」

曜「なにもせず、ずっと抱き合っていたい」

129: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:02:18.08 ID:DvrLu86x
ルビィ「うん、そうだね」

ルビィ「ルビィも、それがいいかな」

曜「けど作業、遅れちゃうね」

ルビィ「いいんだよ、少しぐらい」

ルビィ「曜ちゃん、ずっと頑張っていたから」


曜「それ、私の台詞」

ルビィ「えへへ、一度言ってみたかったんだ」

130: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:02:46.66 ID:DvrLu86x
曜「駄目だなぁ、私は先輩なのに」

曜「凹んでないで、ちゃんとがんばルビィしないと」

ルビィ「それ、ルビィの」

曜「へへっ、おかえし」


ルビィ「じゃあ――ヨ―ソロー!」

曜「どうしたの、唐突に」

ルビィ「唐突にこれ言いだすでしょ、曜ちゃんは」

曜「そうかな」

ルビィ「そうだよ」

131: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:03:15.86 ID:DvrLu86x
ルビィ「でもね、曜ちゃんは頑張らなくてもいいよ」

ルビィ「がんばルビィしなくてもいい」

曜「なんで」


ルビィ「……ずっと頑張ってきたんだから」

ルビィ「千歌ちゃんのヒーローでいたくて、誰よりも輝いてみせたくて」

ルビィ「千歌ちゃんの為に、頑張って、頑張って」

ルビィ「頑張りすぎて、耐えられなくなって、破裂しちゃったの」

曜「……うん」

132: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/01(土) 01:03:57.11 ID:DvrLu86x
ルビィ「だからね、もう頑張らないで」

ルビィ「ルビィがいるから。ルビィが、曜ちゃんの分も一緒に背負うから」

ルビィ「一人で頑張ろうとしないで」

ルビィ「ルビィを利用していいから」



曜「……ルビィちゃん」

ルビィ「うん」

曜「大好きだよ」

ルビィ「……ルビィも」

149: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:29:20.64 ID:0RKRq43N
 ―数週間後・黒澤家―


ルビィ「ただいまぁ」

曜「お邪魔しまーす」

ダイヤ「あら、いらっしゃい」


曜「どうも」

ダイヤ「今日はどうしたのですか?」

150: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:29:46.78 ID:0RKRq43N
曜「衣装づくり、たまには環境を変えてみようという話になって」

ダイヤ「ああ、新しい曲の分ですね」

曜「はい」

ダイヤ「すみません、いつも負担をかけてしまって」

曜「好きでやってることですから」


ルビィ「じゃあ、ルビィの部屋で作業してるから」

ダイヤ「はいはい、あとでお菓子でも持っていきますわね」

曜「ありがとうございます」

151: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:30:18.71 ID:0RKRq43N
――
―


曜「さて――部屋で二人きりになったらやることは一つ」

ルビィ「……けだものさん?」

曜「えっ、衣装づくりに決まってるじゃん」

ルビィ「えっ」


曜「さては変なことでも想像したなぁ」

ルビィ「う、うゅ……」カァ

曜「あはは、可愛い可愛い」

152: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:30:44.44 ID:0RKRq43N
ルビィ「も、もう。普段から変なことばっかり言う曜ちゃんの所為だよ!」

曜「あはは、私に思考が染まってきてるね」

曜「ルビィちゃんもすっかり私色だ」

ルビィ「曜ちゃんに染まっちゃったのかぁ」

曜「嫌だ?」

ルビィ「ううん、嬉しい」

曜「私も」

153: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:31:17.36 ID:0RKRq43N
曜「いやー、抱きつきたい」

ルビィ「今日の曜ちゃん、珍しくスキンシップないよね」

曜「流石にダイヤさんもいる家で変なことはできないよ」

ルビィ「おー、今日は理性的だねぇ」

曜「ふふっ、私もルビィちゃんに染まってきたのかな」


ルビィ「それじゃあ、曜ちゃんになったルビィが代わりに――えいっ」コチョコチョ

曜「あ、あはは、くすぐったっ」

154: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:31:45.09 ID:0RKRq43N
ルビィ「ほれほれ、ここがいいのか~」

曜「ちょ、やめっ、やめっ」

ルビィ「あはは、曜ちゃんは結構敏感だよね」


曜「もぅ、こいつ~」

ルビィ「よ、曜ちゃん、くすぐったいよぉ」

曜「お返しだよっ」

ルビィ「あはははは、ちょっと待って」

曜「待たない!」

155: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:32:09.43 ID:0RKRq43N
ダイヤ「……あの、二人とも」

曜「あっ」

ルビィ「ピギッ」


曜「え、えっと、これは違くて」

ルビィ「そ、そうそう。えっと――なんだろ」

曜「だ、駄目じゃん」

ルビィ「だって、言い訳が思いつかないもん……」

156: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:32:40.62 ID:0RKRq43N
ダイヤ「うふふ、構いませんよ」

曜「ダイヤさん?」

ダイヤ「私たちは高校生、部活関係の作業など、楽しみながらやればいい」

ダイヤ「純粋に、仲睦まじいのはいいことです」


ダイヤ「二人とも真面目だから、心配はしていません」

ルビィ「お姉ちゃん……」

ダイヤ「お茶とお菓子、置いておきますね」

ダイヤ「二人とも、頑張ってください」

157: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:33:24.13 ID:0RKRq43N
曜「……びっくりしたね」

ルビィ「うん」

曜「けど怒られなくてよかった」

ルビィ「だね」

曜「逆にプレッシャーをかけられた気がしなくもないけど」

ルビィ「うゅ……作業しようか」

曜「そうだね」

158: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:34:03.80 ID:0RKRq43N
――
―


ルビィ「~♪」チクチク

曜(鼻歌、どこかのアイドルの曲かな)

曜(自分がスクールアイドルになっても、好きのは変わらないんだ)

曜(千歌ちゃんも、アイドルが好き)

曜(だから私はスクールアイドルを始めて、好きになって)


曜(そんな彼女との関係が変わっても、私はアイドルを好きなまま)

曜(きっとそれは、この子のおかげ)

159: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:34:40.45 ID:0RKRq43N
ルビィ「曜ちゃん、そっちの糸を取ってくれる?」

曜「ああ、うん」

ルビィ「ありがとう」


曜(真剣な顔。いつも真摯に、全力でアイドルに向き合っている)

曜(私という足枷をつけても、それは変わらない)

曜(私自身だって、そんな彼女の為にとできる限り頑張れている)

曜(きっと悪い関係ではない)

曜(相変わらず花丸ちゃんによく思ってもらえないことを除けば、順調な交際)

160: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:35:11.81 ID:0RKRq43N
ルビィ「よーし、できた」

曜「おっ、早いね」

ルビィ「やっぱり家だから集中できたかも」

曜「えらいえらい」ナデナデ

ルビィ「えへへ」

曜(気持ち良さそうに目を細めるさまは、少し猫みたい?)


曜「ルビ猫……」

ルビィ「?」

曜「いや、なんでもないよ」

161: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:35:56.41 ID:0RKRq43N
ルビィ「曜ちゃんの方はどう?」

曜「ああ、こっちもほとんどできてる」

ルビィ「流石だねぇ」

曜「褒めて褒めて~」

ルビィ「えらいね曜ちゃん」ナデナデ

曜「ふふっ」

ルビィ「変な笑い方だねぇ」

曜「少しこそばゆい感覚がね」

162: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:36:26.76 ID:0RKRq43N
曜「そういやルビィちゃん、どこか行きたいところとかない?」

ルビィ「行きたいところ?」

曜「こんど練習が休みの日にさ、デートしようよ」

ルビィ「デート?」


曜「そうそう、作業も順調だし」

曜「私たち、作業や練習で忙しかったせいでほとんどそういうのしてないでしょ」

曜「だからたまにはどうかなと」

163: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/03(月) 23:36:55.12 ID:0RKRq43N
ルビィ「……いいね、それ」

ルビィ「ルビィ、凄く行きたいよ」

曜「でしょ!」


曜「どこか行きたいところとかある?」

ルビィ「うーん、どうだろう」

曜「まあ考えておいてよ」

曜「ルビィちゃんの行きたい場所に行こう」

ルビィ「うん、分かった!」

165: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:22:46.35 ID:s1Zlt0mX
 ―某ライブ会場―


『みんなー、盛り上がってるかー!』


 うぉ―――――


ルビィ「わぁー!」

曜「……」

166: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:24:39.77 ID:s1Zlt0mX
曜(デートで連れてこられたのは、某ご当地アイドルのライブ会場)

曜(人見知りのルビィちゃん曰く、『曜ちゃんみたいに守ってくれる人』が今まではいなかったから初めてくるライブらしい)

曜(女性専用エリアにいるおかげで、守る必要はあんまり感じないけど)

ルビィ「○○ちゃん、可愛いね!」

曜「だね」


曜(こんなにオタク感のあるドルオタ全開の彼女は初めて見た)

曜(正直私にはよく分からない世界だけど、楽しそうなルビィちゃんを見れるのは楽しい)

曜(本職のアイドルのライブを観ることは、もちろん勉強にもなる)

167: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:25:17.60 ID:s1Zlt0mX
『~~~~~♪』


曜(でもあの衣装、少し見栄えが悪い)

曜(私だったら、もっと上手くできる)

曜(配色も、小物の配置も)

曜(振り付けだって、少し窮屈そうにしている子もいる)

曜(もっとシンプルにした方が見栄えはいいかな)


曜(……駄目だ、考えると気になって仕方ない)

168: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:25:51.40 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「曜ちゃん?」

曜「どうしたの」

ルビィ「なんか難しそうな顔してる」

曜「おっと、マジか」


ルビィ「面白くない?」

曜「ううん、そんなことはないよ」

曜「ただ、私たちの参考にできる部分はないかって考えてて」

ルビィ「ふわぁ、曜ちゃんは真面目さんだね」

169: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:26:18.19 ID:s1Zlt0mX
曜「まあ私のことは気にせず、ルビィちゃんは楽しみなよ」

曜「こっちはこっちで色々楽しんでるからさ」

曜「せっかく来たんだから、ね」

ルビィ「うん、ありがと――あっ、○○ちゃんこっち観てる!」


曜(ふふっ、こうしてみるとやっぱり子どもっぽい感じが残る)

曜(でもキラキラと輝いてるな、ルビィちゃん」

曜(これはきっと、他の人が知らない、私だけにみせている顔)

曜(私だけの、ルビィちゃん)

170: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:27:11.50 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「○○ちゃん、可愛いなぁ~」


曜(……確かに可愛い)

曜(私にはない、女の子らしい可愛らしさ)

曜(だからどうした、という話なんだけど)

曜(ルビィちゃんの口から憧れに近い言葉出てくると、少し嫉妬してしまいそうになる)

曜(恋愛とは違う感情、それは理解していても)


曜(そもそも、おかしい話。本当に可愛いのはあの子でない)

曜(ルビィちゃん、誰よりも可愛い私の恋人)

曜(そんな彼女が人に可愛いというのは、少し面白い感覚かもしれない)

171: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:28:33.57 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「わーい!」


曜(ああ、やっぱり可愛い)

曜(天使のような子、今この瞬間を保存しておきたい)


曜「……」パシャリ


曜(本当は撮影とか駄目らしいだけど、ステージに向けなければいいよね)

曜(私だけのルビィちゃんの写真、こっそり保存しておこう)

曜(ダイヤさんにも、花丸ちゃんにも見せていないはずの表情)

曜(特別な証、みたいなものかな)

172: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:30:32.85 ID:s1Zlt0mX
―渡辺家・曜の部屋―


曜「結局最後は、ここなんだね」

ルビィ「駄目?」

曜「駄目じゃないけどさ」


曜(欲求不満――とかじゃないよね)

ルビィ「曜ちゃん、変なこと考えたでしょ」

曜「……気のせいだよ」

173: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:31:07.22 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「駄目だよ、今日は普通に楽しむんだもん」

ルビィ「練習後に来たことは何度もあるけど、今日みたいにお昼間からゆっくりできるのは珍しいでしょ」

ルビィ「だからね、ちょうどいいかなって」

曜「……そっか」

ルビィ「駄目かな?」


曜「いいよ、ルビィちゃんがそうしたいなら」

曜「今日は素直に我慢するよ」

ルビィ「うむ、よろしい」

174: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:31:35.24 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「ルビィね、曜ちゃんのお部屋が好きなんだよ」

ルビィ「曜ちゃんの匂い、曜ちゃんの気配、曜ちゃんの日常」

ルビィ「色んな曜ちゃんを感じられるから、好きなんだよ」

曜「私を感じる……」


ルビィ「ずっと過ごしてきたこのお部屋」

ルビィ「お裁縫の道具が凄く揃っている、海や水泳に関係する物もそう」

ルビィ「うちっちー、可愛いからたくさんある」

ルビィ「あと、大切な千歌ちゃんとの写真がたくさん」

175: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:32:10.45 ID:s1Zlt0mX
曜「それは、ごめん」

曜「本当は片付けなきゃと思うけど、どうしても」


ルビィ「いいんだよ、千歌ちゃんのことが好きなのは事実」

ルビィ「片付ける必要なんてないし、それも曜ちゃんの大切な一部だから」

ルビィ「ルビィはね、千歌ちゃんにキラキラとした目線を向けている曜ちゃんも好きだから」


曜「でも本当は、ルビィちゃんの写真も飾るべきなんだよね」

ルビィ「それはほら、二人であんまり写真とか撮ってないから」

176: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:32:42.95 ID:s1Zlt0mX
曜「じゃあ、今撮る?」

ルビィ「ここで?」

曜「うん、コスプレでもして」

ルビィ「えー、それはちょっと」

曜「あはは、冗談だよ」

ルビィ「だよね」

曜(本当は少し本気だったけど)

177: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:33:22.37 ID:s1Zlt0mX
曜「ちょっとこっちおいで」

ルビィ「こう?」

曜「そうそう――はいチーズ」パシャ


ルビィ「おー、自撮りだ」

ルビィ「流石曜ちゃん、リア充さん!」

曜「これぐらい普通だよ」

ルビィ「でもルビィ、やってる人初めて見たよ!」

曜「今度教えてあげるよ」

ルビィ「ありがとう~」

178: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:33:58.43 ID:s1Zlt0mX
曜「うん、よく撮れてる」

ルビィ「だね、曜ちゃん可愛いよ!」

曜「可愛い子に言われても説得力が――あっ、写真も送るね」

ルビィ「うん!」


曜「これを、待ち受けにしちゃおうかな」

ルビィ「いいね、ルビィも一緒にする!}

曜「ふふっ、みんなに不審がられないかな」

ルビィ「平気だよ、最近はみんなも仲良しさんのお友達って思っているから」

179: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:34:44.87 ID:s1Zlt0mX
曜「そっか、平気か」

ルビィ「うん」


曜「じゃあさ、これからはこんな風に写真撮ろうよ、色んなところで」

曜「大切な人と過ごす輝いた時間を記録しないなんて、勿体ないから」

ルビィ「……曜ちゃん、結構ロマンチストだよね」

曜「そうかな?」

ルビィ「普段は男の子らしい感じなのに、内面は女の子」

ルビィ「そのギャップが、素敵なのかなぁ」

180: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:35:51.11 ID:s1Zlt0mX
曜「ギャップか……」

曜(外側と内側の差が人を魅力的に魅せる)

曜(それが事実なら、私がルビィちゃんに強く惹きつけられるわけだ)

曜(弱い外側と、強い内側)

曜(この子以上に、そこに隔たりがある子はきっといない)


ルビィ「今度、コスプレとかじゃなくて服を見に行こうよ」

ルビィ「曜ちゃん、女の子っぽい服あんまり着ないでしょ、ルビィがコーディネートしてあげる」

181: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:36:25.83 ID:s1Zlt0mX
曜「ルビィちゃんのコーディネート……」

曜(思い出される、東京へ行ったときの服)


曜「……いや、それは私の役目だよ」

曜「私がルビィちゃんに似合う服を選んであげる」

ルビィ「うーん、じゃあお互いに選ぶ感じかな?」

曜「……まあ、そうだね」

曜(嫌とは言えないなぁ)

曜(けどあの手の服は絶対に似合わないし、試着する時に察してくれるよね)

182: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:36:58.11 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「それじゃあ、今度のデートはショッピングで……」


曜「どうしたの?」

ルビィ「ふわぁ、でもちょっと眠たいかも」

曜「ライブ、盛り上がってたもんね」

ルビィ「うゅ……少しだけ寝てもいい?」

曜「いいよ、ベッド行く?」

ルビィ「大丈夫、このうちっちーのクッションで――くぅ」

曜「寝るのはやっ」

183: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:37:40.65 ID:s1Zlt0mX
曜(まあ、あれだけはしゃげば疲れるよね)

曜(やっぱり根の部分は子どものような純粋さなのかな)


ルビィ「むにゃ……」


曜(……とりあえず、ベッドに寝かせてあげよう)

曜(少しと言ってたけど、ルビィちゃんの場合しばらく寝ちゃうはず)

曜(ダイヤさんにはもしかしたら泊まるかもと連絡しておいて――)


曜(……私も結構ルビィちゃんのこと理解し始めているのかな)

曜(最初は一方的に、やさしさに甘えるだけだったのに)

184: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:38:20.89 ID:s1Zlt0mX
ルビィ「うゅ……」

曜(まるで精巧な人形のように整った寝顔)

曜(私には勿体ないぐらい、綺麗な子)

曜(愛おしくて、仕方がない)


曜「――」チュッ


曜(今日は変なことは無しらしいけど、これぐらいは許してくれるよね)

曜(あと、写真も一枚だけ)パシャ

曜(この写真を見れば、今日のことを思い出す)

曜(子どものようにはしゃぐ姿、初めて撮った二人での写真、柔らかいキスの感触)

曜(一つ一つ、大切な思い出として、記録されていく)

185: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:39:17.60 ID:s1Zlt0mX
曜(写真、千歌ちゃんと二人の写真)

曜(千歌ちゃんと過ごした、上書きなんてできないと思っていた思い出たち)

曜(彼女との距離が広がるにつれ、それらは灰色に染まり、私の心のように色あせていった)


曜(けどルビィちゃんのおかげで、少しずつまた色が戻り始めて)

曜(見るだけで辛かった思い出の写真たちも、今は落ち着いてみることができる)

曜(あとで、写真をプリントしてこよう)

曜(新しい写真立てとボードも買おう)


曜(やっぱり、千歌ちゃんの写真を片付けることがはできない)

曜(でもそれ以上に、ルビィちゃんとの写真を飾ろう)

曜(いっぱい、部屋中に溢れるほど)

曜(私の心を満たしてくれる、一番大切な人の写真を)

186: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/04(火) 05:40:44.04 ID:s1Zlt0mX
ひとまず以上です

引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1543581598/
第2話へ続く

you fooder
ルビィちゃん・・・!