
60: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:17:44.51 ID:PrNGIdaN
【数日後】
善子「――その教授さ、酷いと思わない?」
理亞「そうかしら」
花丸「えー、それは善子ちゃんが悪いずら」
善子「いやいや、そんなことないわよね、ルビィ」
ルビィ「えっ、ああ、うん」
善子「――その教授さ、酷いと思わない?」
理亞「そうかしら」
花丸「えー、それは善子ちゃんが悪いずら」
善子「いやいや、そんなことないわよね、ルビィ」
ルビィ「えっ、ああ、うん」
61: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:18:13.97 ID:PrNGIdaN
ルビィ(曜ちゃん……)
ルビィ(あの後、帰ってくる気配どころか、一度の連絡すらない)
ルビィ(こっちからの連絡もつかない)
ルビィ(電話でない、メールも帰ってこない、メッセージ送っても既読付かない)
ルビィ(単純な気まぐれ?)
ルビィ(でも曜ちゃん、ルビィと一緒に暮らし始めてから、一人で長期間遠くへ行こうとはしなかった)
ルビィ(いつも一緒、のはずだったのに)
ルビィ(どうしたんだろう、急に)
ルビィ(あの後、帰ってくる気配どころか、一度の連絡すらない)
ルビィ(こっちからの連絡もつかない)
ルビィ(電話でない、メールも帰ってこない、メッセージ送っても既読付かない)
ルビィ(単純な気まぐれ?)
ルビィ(でも曜ちゃん、ルビィと一緒に暮らし始めてから、一人で長期間遠くへ行こうとはしなかった)
ルビィ(いつも一緒、のはずだったのに)
ルビィ(どうしたんだろう、急に)
62: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:18:48.25 ID:PrNGIdaN
理亞「ねえ、なにかあったの?」
ルビィ「えっ」
理亞「ルビィ、さっきから様子がおかしい」
ルビィ「そ、そうかな」
花丸「うん、だってずっと上の空だよ」
花丸「普段、善子ちゃんの戯言に一番付き合ってあげてるはずのルビィちゃんなのに」
善子「ちょ、戯言とかいうな!」
ルビィ「えっ」
理亞「ルビィ、さっきから様子がおかしい」
ルビィ「そ、そうかな」
花丸「うん、だってずっと上の空だよ」
花丸「普段、善子ちゃんの戯言に一番付き合ってあげてるはずのルビィちゃんなのに」
善子「ちょ、戯言とかいうな!」
63: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:19:44.83 ID:PrNGIdaN
善子「でも実際、何かあったの?」
善子「様子が変なのは確かよね」
ルビィ「た、たいしたことじゃないんだけど……」
花丸「それなら話してみてよ」
花丸「少しは助けになれるはずだもん」
花丸「人に言えないような類、じゃないよね」
ルビィ「……うん」
善子「様子が変なのは確かよね」
ルビィ「た、たいしたことじゃないんだけど……」
花丸「それなら話してみてよ」
花丸「少しは助けになれるはずだもん」
花丸「人に言えないような類、じゃないよね」
ルビィ「……うん」
64: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:20:15.55 ID:PrNGIdaN
ルビィ「あ、あのね」
花丸「うん」
ルビィ「曜ちゃんがね、旅に出るって書き置きを残して、いなくなっちゃったの」
善子「曜さんが?」
花丸「ほ、本当に!?」
ルビィ「うん」
善子「でも旅ぐらい、してもおかしくないんじゃない」
花丸「そ、そうだよね。時間のある大学生なんだし」
ルビィ「でもね、全く連絡がつかなくて、消息も不明で……」
花丸「うん」
ルビィ「曜ちゃんがね、旅に出るって書き置きを残して、いなくなっちゃったの」
善子「曜さんが?」
花丸「ほ、本当に!?」
ルビィ「うん」
善子「でも旅ぐらい、してもおかしくないんじゃない」
花丸「そ、そうだよね。時間のある大学生なんだし」
ルビィ「でもね、全く連絡がつかなくて、消息も不明で……」
65: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:20:44.61 ID:PrNGIdaN
花丸「つまり、行方不明?」
ルビィ「ま、まだ数日だから分からないけど……」
善子「書き置きがあった時点で、事件とかではなさそうだけど」
理亞「連絡がつかないのは気になるわね」
花丸「曜ちゃん、一人旅とか好きなタイプじゃないよね」
ルビィ「うん、こんな行動は初めてだから……」
花丸「心配だね……」
ルビィ「ま、まだ数日だから分からないけど……」
善子「書き置きがあった時点で、事件とかではなさそうだけど」
理亞「連絡がつかないのは気になるわね」
花丸「曜ちゃん、一人旅とか好きなタイプじゃないよね」
ルビィ「うん、こんな行動は初めてだから……」
花丸「心配だね……」
66: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:21:27.75 ID:PrNGIdaN
理亞「あんまり長引いたら、警察とか行った方がいいんじゃない」
ルビィ「でも、そこまでしちゃうのも……」
善子「まあ、そうよね」
善子「普通に旅だったり、他の事情があった場合は困るかもしれない」
花丸「事情って……」
善子「色々あるかもしれないでしょ」
理亞「それは、そうかも」
ルビィ「でも、そこまでしちゃうのも……」
善子「まあ、そうよね」
善子「普通に旅だったり、他の事情があった場合は困るかもしれない」
花丸「事情って……」
善子「色々あるかもしれないでしょ」
理亞「それは、そうかも」
67: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:22:07.89 ID:PrNGIdaN
善子「ひとまず私たちの方でもちょっと探してみましょう」
善子「知り合いに聞いたりして、ルビィ一人より効率はいいでしょ」
理亞「うん、それがいい」
花丸「そ、そうだよね。マルたちも曜ちゃんが心配だし」
ルビィ「……ありがと、みんな」
善子「今日は一度解散にしましょう」
善子「早速伝手を当たってみるわ」
ルビィ「分かった」
善子「知り合いに聞いたりして、ルビィ一人より効率はいいでしょ」
理亞「うん、それがいい」
花丸「そ、そうだよね。マルたちも曜ちゃんが心配だし」
ルビィ「……ありがと、みんな」
善子「今日は一度解散にしましょう」
善子「早速伝手を当たってみるわ」
ルビィ「分かった」
68: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:22:43.05 ID:PrNGIdaN
善子「あとで報告するから、ルビィは帰って休みなさい」
花丸「そうだよ、ずっと心配してて疲れちゃっただろうし」
理亞「うん」
ルビィ「……」
花丸「マルも頑張るから――ルビィちゃん、元気出してね」
理亞「深刻に考え過ぎちゃ駄目」
善子「きっとあの適当な人のことだから、ひょっこり戻ってくるわよ」
ルビィ「……そう、だよね」
花丸「そうだよ、ずっと心配してて疲れちゃっただろうし」
理亞「うん」
ルビィ「……」
花丸「マルも頑張るから――ルビィちゃん、元気出してね」
理亞「深刻に考え過ぎちゃ駄目」
善子「きっとあの適当な人のことだから、ひょっこり戻ってくるわよ」
ルビィ「……そう、だよね」
69: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:23:37.20 ID:PrNGIdaN
―帰り道―
ルビィ(せっかく集まれたのに、悪いことしちゃったかな)
ルビィ(なにも言わないで、ルビィだけ帰った方がよかったかな……)
ルビィ(みんな、やさしかったな)
ルビィ(まだ心配するような段階じゃない)
ルビィ(ルビィが、勝手に深刻に考えてるだけかもしれないのに)
ルビィ(せっかく集まれたのに、悪いことしちゃったかな)
ルビィ(なにも言わないで、ルビィだけ帰った方がよかったかな……)
ルビィ(みんな、やさしかったな)
ルビィ(まだ心配するような段階じゃない)
ルビィ(ルビィが、勝手に深刻に考えてるだけかもしれないのに)
70: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:24:14.39 ID:PrNGIdaN
善子『他の事情が――』
ルビィ(他の、事情)
ルビィ(連絡が取れない、旅を言い訳にした事情)
ルビィ(それがあるとしたら、きっとルビィに関係していること)
ルビィ(一緒に居たくなくなった、離れたくなった、そんな理由かもしれない)
ルビィ(深く、普通の恋人より深く愛し合って、必要とし合っている関係だと思ってた)
ルビィ(でも、特別な関係だと思っていたのはルビィだけで)
ルビィ(もう、飽きられちゃったとか)
ルビィ(他の、事情)
ルビィ(連絡が取れない、旅を言い訳にした事情)
ルビィ(それがあるとしたら、きっとルビィに関係していること)
ルビィ(一緒に居たくなくなった、離れたくなった、そんな理由かもしれない)
ルビィ(深く、普通の恋人より深く愛し合って、必要とし合っている関係だと思ってた)
ルビィ(でも、特別な関係だと思っていたのはルビィだけで)
ルビィ(もう、飽きられちゃったとか)
71: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:25:00.08 ID:PrNGIdaN
ルビィ(曜ちゃん、人気者だから、もっと素敵な人を見つけて)
ルビィ(ルビィより綺麗で、やさしくて、気が合う、そんな人)
ルビィ(それかルビィのこと、嫌いになっちゃって)
ルビィ(それで、いらなくなって)
ルビィ(捨てられ、ちゃったのかな)
ルビィ(ずっと想い合ってるはずだったのに)
ルビィ(いつの間にか、好きなのはルビィだけになって――)
ルビィ(やだな、そんなの)
ルビィ(ルビィは、曜ちゃんが大好きなのに)
ルビィ(ルビィより綺麗で、やさしくて、気が合う、そんな人)
ルビィ(それかルビィのこと、嫌いになっちゃって)
ルビィ(それで、いらなくなって)
ルビィ(捨てられ、ちゃったのかな)
ルビィ(ずっと想い合ってるはずだったのに)
ルビィ(いつの間にか、好きなのはルビィだけになって――)
ルビィ(やだな、そんなの)
ルビィ(ルビィは、曜ちゃんが大好きなのに)
72: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:25:29.19 ID:PrNGIdaN
ルビィ(声、聴きたいよ)
ルビィ(いつもみたいに我儘を言ってほしいよ)
ルビィ(子どもみたいに甘えて、依存して)
ルビィ(好きだよって、甘い声で囁いてくれて)
ルビィ(抱きしめて、身体を重ねて、愛し合って)
ルビィ(それだけで、ルビィはいいのに)
ルビィ(そんな曜ちゃんがいてくれるだけで、幸せなのに)
ルビィ(どうして、どうして――)
ルビィ(いつもみたいに我儘を言ってほしいよ)
ルビィ(子どもみたいに甘えて、依存して)
ルビィ(好きだよって、甘い声で囁いてくれて)
ルビィ(抱きしめて、身体を重ねて、愛し合って)
ルビィ(それだけで、ルビィはいいのに)
ルビィ(そんな曜ちゃんがいてくれるだけで、幸せなのに)
ルビィ(どうして、どうして――)
73: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:26:32.91 ID:PrNGIdaN
??「ルビィちゃん」
ルビィ「えっ」
ルビィ(もしかして、よーちゃ――)
千歌「やあ」
ルビィ「……千歌ちゃん」
千歌「おっと、露骨にがっかりした顔をされると流石にショックかな」
ルビィ「……ごめんなさい」
ルビィ「えっ」
ルビィ(もしかして、よーちゃ――)
千歌「やあ」
ルビィ「……千歌ちゃん」
千歌「おっと、露骨にがっかりした顔をされると流石にショックかな」
ルビィ「……ごめんなさい」
74: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:27:05.72 ID:PrNGIdaN
千歌「元気、なさそうだね」
ルビィ「うん……」
千歌「まあ、仕方ないよね」
千歌「事情は聞いてるよ」
ルビィ「……もう、誰から連絡行ったんだ」
千
歌「うん、まあ、そうかな」
ルビィ「わざわざ、励ましにきてくれたの?」
千歌「うん、ルビィちゃん達の家に行こうとは思ってた」
千歌「そしたらちょうど見かけたから、声をかけたの」
ルビィ「……ありがと」
ルビィ「うん……」
千歌「まあ、仕方ないよね」
千歌「事情は聞いてるよ」
ルビィ「……もう、誰から連絡行ったんだ」
千
歌「うん、まあ、そうかな」
ルビィ「わざわざ、励ましにきてくれたの?」
千歌「うん、ルビィちゃん達の家に行こうとは思ってた」
千歌「そしたらちょうど見かけたから、声をかけたの」
ルビィ「……ありがと」
75: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:28:19.39 ID:PrNGIdaN
ルビィ「ねえ、千歌ちゃん」
千歌「うん」
ルビィ「ルビィは、どうすればいいのかな」
千歌「……どう?」
ルビィ「確信はあるんだ」
ルビィ「普通に旅に出る、それが嘘だってことは」
千歌「うん」
千歌「私がルビィちゃんの立場でも、同じことを考えるよ」
千歌「うん」
ルビィ「ルビィは、どうすればいいのかな」
千歌「……どう?」
ルビィ「確信はあるんだ」
ルビィ「普通に旅に出る、それが嘘だってことは」
千歌「うん」
千歌「私がルビィちゃんの立場でも、同じことを考えるよ」
76: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:29:10.43 ID:PrNGIdaN
ルビィ「でもね、もしそれが嘘だとしたら」
ルビィ「その場合に、想像できることが、全部ネガティブなことで」
ルビィ「明るい話が、想像できなくて」
千歌「うん」
ルビィ「なにか、しちゃったのかな」
ルビィ「嫌われるようなこと」
ルビィ「ルビィの傍から、離れたくなるようなこと」
千歌「そんなことは、ないと思うよ」
ルビィ「でも――」
ルビィ「その場合に、想像できることが、全部ネガティブなことで」
ルビィ「明るい話が、想像できなくて」
千歌「うん」
ルビィ「なにか、しちゃったのかな」
ルビィ「嫌われるようなこと」
ルビィ「ルビィの傍から、離れたくなるようなこと」
千歌「そんなことは、ないと思うよ」
ルビィ「でも――」
77: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:30:08.68 ID:PrNGIdaN
千歌「私はね、曜ちゃんの今回の行動が、なんとなく分かるんだ」
ルビィ「曜ちゃんの、行動が」
ルビィ「それは、どんな」
千歌「詳しい話は知らない、ちゃんと聞いたわけじゃないから」
千歌「それにね、知っていても言えない内容かもしれない」
千歌「でもね、私に言えることは一つだけ」
千歌「曜ちゃんを信じてあげて」
千歌「ルビィちゃんは、それができる子だと思うから」
ルビィ「曜ちゃんの、行動が」
ルビィ「それは、どんな」
千歌「詳しい話は知らない、ちゃんと聞いたわけじゃないから」
千歌「それにね、知っていても言えない内容かもしれない」
千歌「でもね、私に言えることは一つだけ」
千歌「曜ちゃんを信じてあげて」
千歌「ルビィちゃんは、それができる子だと思うから」
78: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:32:05.65 ID:PrNGIdaN
ルビィ「曜ちゃんを、信じる」
千歌「知ってるよ、二人が他の人が思っているよりずっと、深い関係なこと」
ルビィ「!」
千歌「私は小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染だから、気づいちゃうんだよ」
千歌「どんなに変わっても、隠しても、よーちゃんはよーちゃん」
千歌「身体を動かすのが大好きで、海やプールが大好きで、お父さんが大好きで、千歌やAqoursのみんなが大好きで――ルビィちゃんを、一番大好きな」
千歌「そんな彼女を、世界で二番目に曜ちゃんのことを理解してる、はずだから」
ルビィ「ちか、ちゃん」
千歌「知ってるよ、二人が他の人が思っているよりずっと、深い関係なこと」
ルビィ「!」
千歌「私は小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染だから、気づいちゃうんだよ」
千歌「どんなに変わっても、隠しても、よーちゃんはよーちゃん」
千歌「身体を動かすのが大好きで、海やプールが大好きで、お父さんが大好きで、千歌やAqoursのみんなが大好きで――ルビィちゃんを、一番大好きな」
千歌「そんな彼女を、世界で二番目に曜ちゃんのことを理解してる、はずだから」
ルビィ「ちか、ちゃん」
81: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:35:29.60 ID:PrNGIdaN
>>78訂正
ルビィ「曜ちゃんを、信じる」
千歌「知ってるよ、二人が他の人が思っているよりずっと、深い関係なこと」
ルビィ「!」
千歌「私は小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染だから、気づいちゃうんだよ」
千歌「どんなに変わっても、隠しても、よーちゃんはよーちゃん」
千歌「身体を動かすのが大好きで、海やプールが大好きで、お父さんが大好きで、千歌やAqoursのみんなが大好きで――ルビィちゃんを、一番大好きな」
千歌「私は世界で二番目に、曜ちゃんのことを理解してる、はずだから」
ルビィ「ちか、ちゃん」
ルビィ「曜ちゃんを、信じる」
千歌「知ってるよ、二人が他の人が思っているよりずっと、深い関係なこと」
ルビィ「!」
千歌「私は小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染だから、気づいちゃうんだよ」
千歌「どんなに変わっても、隠しても、よーちゃんはよーちゃん」
千歌「身体を動かすのが大好きで、海やプールが大好きで、お父さんが大好きで、千歌やAqoursのみんなが大好きで――ルビィちゃんを、一番大好きな」
千歌「私は世界で二番目に、曜ちゃんのことを理解してる、はずだから」
ルビィ「ちか、ちゃん」
79: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:33:02.21 ID:PrNGIdaN
千歌「ルビィちゃん、思い出して」
千歌「一緒に積み上げてきた時間、その間に存在した感情」
千歌「そんな簡単に崩れるものじゃないはずだよ」
ルビィ「それは……」
千歌「曜ちゃんは誰よりもルビィちゃんを愛して、信頼してる」
千歌「ルビィちゃんも、そうだよね」
ルビィ「うん」
千歌「だったら、待っていてあげよう」
千歌「曜ちゃんを信じて、戻ってくるのを」
千歌「一緒に積み上げてきた時間、その間に存在した感情」
千歌「そんな簡単に崩れるものじゃないはずだよ」
ルビィ「それは……」
千歌「曜ちゃんは誰よりもルビィちゃんを愛して、信頼してる」
千歌「ルビィちゃんも、そうだよね」
ルビィ「うん」
千歌「だったら、待っていてあげよう」
千歌「曜ちゃんを信じて、戻ってくるのを」
80: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:34:06.66 ID:PrNGIdaN
―七月十二日―
『うえぇぇん、うえぇぇん』
ルビィ(泣き声、小さい頃のルビィの)
ルビィ(ここは、夢?)
『どうしてあなたは、ダイヤみたいにできないの』
『そんな騒ぎを起こして――男の子が少しちょっかいを出してきただけで』
『スクールアイドルなんて遊びをしている暇があったら――』
『大学? お前の立場で本当に必要なのか』
『同性愛者とかさ、あり得ないよね~』
『全く、こんなことでは嫁の貰い手も――』
ルビィ(悪夢、かな)
『うえぇぇん、うえぇぇん』
ルビィ(泣き声、小さい頃のルビィの)
ルビィ(ここは、夢?)
『どうしてあなたは、ダイヤみたいにできないの』
『そんな騒ぎを起こして――男の子が少しちょっかいを出してきただけで』
『スクールアイドルなんて遊びをしている暇があったら――』
『大学? お前の立場で本当に必要なのか』
『同性愛者とかさ、あり得ないよね~』
『全く、こんなことでは嫁の貰い手も――』
ルビィ(悪夢、かな)
82: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:36:32.34 ID:PrNGIdaN
『ルビィちゃん』
ルビィ(よー、ちゃん)
『……本当に可愛いね、ルビィちゃん』
『こらっ、この小悪魔ちゃん』
『私は、ルビィちゃんだよ。ルビィちゃんが、一番なの』
『曜ちゃんはうさぎさんだから、寂しいと死んじゃうであります』
『うーん、この子を独占できて私は幸せだなぁ』
ルビィ(……あったかい)
ルビィ(ルビィの冷たい心を、曜ちゃんが温めてくれる)
『じゃあさ、これからはこんな風に写真撮ろうよ』
『大切な人と過ごす輝いた時間を記録しないなんて、勿体ない――』
83: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:37:16.99 ID:PrNGIdaN
パシャリ
ルビィ「……よー、ちゃん」
曜「へへっ、久しぶりに一枚」
曜「可愛い寝顔、いただきであります!」
ルビィ「……夢?」
曜「あっ、起こしちゃったかな」
曜「ごめんね、可愛かったからついさ」
曜「衝動が抑えられなかったんだよね」
ルビィ「……よー、ちゃん」
曜「へへっ、久しぶりに一枚」
曜「可愛い寝顔、いただきであります!」
ルビィ「……夢?」
曜「あっ、起こしちゃったかな」
曜「ごめんね、可愛かったからついさ」
曜「衝動が抑えられなかったんだよね」
84: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:37:59.61 ID:PrNGIdaN
ルビィ「よー、ちゃん?」
曜「ただいま。ちょっと帰るの遅くなっちゃった」
ルビィ「……本物?」
曜「うん、そりゃそうでしょ」
曜「そもそも、家の鍵を持ってるの、私とルビィちゃんだけだし」
ルビィ「でも、いなくなって」
曜「あはは、連絡も入れずにごめんね」
曜「帰る時ぐらいは――と思ったんだけど、サプライズ的なのもいいかなと」
曜「ただいま。ちょっと帰るの遅くなっちゃった」
ルビィ「……本物?」
曜「うん、そりゃそうでしょ」
曜「そもそも、家の鍵を持ってるの、私とルビィちゃんだけだし」
ルビィ「でも、いなくなって」
曜「あはは、連絡も入れずにごめんね」
曜「帰る時ぐらいは――と思ったんだけど、サプライズ的なのもいいかなと」
85: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:38:43.03 ID:PrNGIdaN
曜「いやー、何とか間に合ってよかったよ」
曜「よーしこーの誕生日、出る前は余裕だと思っていたんだけど――」
ルビィ「馬鹿!」
曜「うわっ」
バタン
曜「ちょ、久々だからって積極的すぎ――」
ルビィ「そんなんじゃないもん!」
ルビィ「ばかばかばか、曜ちゃんの馬鹿!」
ルビィ「心配したんだよ、あんな風に出て行って、連絡もつかなくて!」
曜「…………」
曜「よーしこーの誕生日、出る前は余裕だと思っていたんだけど――」
ルビィ「馬鹿!」
曜「うわっ」
バタン
曜「ちょ、久々だからって積極的すぎ――」
ルビィ「そんなんじゃないもん!」
ルビィ「ばかばかばか、曜ちゃんの馬鹿!」
ルビィ「心配したんだよ、あんな風に出て行って、連絡もつかなくて!」
曜「…………」
86: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:39:39.19 ID:PrNGIdaN
ルビィ「それに、寂しかった」
ルビィ「曜ちゃんが居なくなって、一人になって」
ルビィ「何にもわかんなくて、どうしようもなくて」
ルビィ「ただ、待つことしかできなくて」
ルビィ「すごく……寂しかったんだよ……」
曜「……そうだよね」
曜「ごめんね、辛い想いをさせて」
曜「でもね、どうしてもやらなきゃいけないことがあったの」
ルビィ「やらなきゃ、いけないこと?」
ルビィ「曜ちゃんが居なくなって、一人になって」
ルビィ「何にもわかんなくて、どうしようもなくて」
ルビィ「ただ、待つことしかできなくて」
ルビィ「すごく……寂しかったんだよ……」
曜「……そうだよね」
曜「ごめんね、辛い想いをさせて」
曜「でもね、どうしてもやらなきゃいけないことがあったの」
ルビィ「やらなきゃ、いけないこと?」
87: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:40:10.68 ID:PrNGIdaN
曜「話してきたんだ、私たちの関係」
曜「ダイヤさんや、私の両親」
曜「あと、Aqoursのみんなにも」
ルビィ「えっ……」
曜「ごめんね、勝手に」
曜「本当は相談するべきだったと思う」
曜「けど、巻き込みたくなかった」
曜「辛い思いをする、その可能性が高いことだから」
曜「ダイヤさんや、私の両親」
曜「あと、Aqoursのみんなにも」
ルビィ「えっ……」
曜「ごめんね、勝手に」
曜「本当は相談するべきだったと思う」
曜「けど、巻き込みたくなかった」
曜「辛い思いをする、その可能性が高いことだから」
88: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:41:17.74 ID:PrNGIdaN
ルビィ「でも、そんなの」
ルビィ「そんなことをしたら、ルビィたちは、もう一緒には」
曜「確かに、そうかもしれない」
曜「私もさ、ずっとそんな風に思ってた」
曜「誰も受け入れてくれない、認めてくれないって」
曜「でもね、気づいたんだ」
曜「それじゃ駄目だって」
曜「誤解されて、落ち込んで、嫌な想像ばかりして」
曜「恐れから全てを隠そうとして」
曜「それじゃあ、駄目なんだよ」
曜「いつか限界が来る、真っ暗な未来図しか描けない」
ルビィ「よー、ちゃん」
ルビィ「そんなことをしたら、ルビィたちは、もう一緒には」
曜「確かに、そうかもしれない」
曜「私もさ、ずっとそんな風に思ってた」
曜「誰も受け入れてくれない、認めてくれないって」
曜「でもね、気づいたんだ」
曜「それじゃ駄目だって」
曜「誤解されて、落ち込んで、嫌な想像ばかりして」
曜「恐れから全てを隠そうとして」
曜「それじゃあ、駄目なんだよ」
曜「いつか限界が来る、真っ暗な未来図しか描けない」
ルビィ「よー、ちゃん」
89: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:42:24.91 ID:PrNGIdaN
曜「信じてみようと思ったんだ、大切な人たちを」
曜「まずはAqoursのみんなやお父さん、お母さん――」
曜「信じられる――ううん、信じなきゃいけない人たちを」
曜「改善はしていても普通とは違う、受け入れてもらえない」
曜「そんな風に考えて、希望から遠ざかっていたのは私たち自身」
曜「自分たちから踏み出さなきゃ、未来は変えられない」
ルビィ「でも……」
曜「まずはAqoursのみんなやお父さん、お母さん――」
曜「信じられる――ううん、信じなきゃいけない人たちを」
曜「改善はしていても普通とは違う、受け入れてもらえない」
曜「そんな風に考えて、希望から遠ざかっていたのは私たち自身」
曜「自分たちから踏み出さなきゃ、未来は変えられない」
ルビィ「でも……」
90: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:43:30.09 ID:PrNGIdaN
曜「大丈夫だよ。世界は人が考えるよりやさしくて、安らかだから」
曜「ルビィちゃんのご両親みたいに、受け入れるのは難しい人はいる」
曜「差別は絶対になくならないし、嫌悪感を抱かれることだってある」
曜「それは、確かかもしれない」
曜「でもね、みんながそうじゃないんだ」
曜「受け入れて、心の底から祝福してくれる人だってたくさんいる」
曜「実際、私はこうして帰ってきた」
曜「帰ってこれたのは、みんなが味方になってくれたから」
ルビィ「それじゃあ……」
曜「ルビィちゃんのご両親みたいに、受け入れるのは難しい人はいる」
曜「差別は絶対になくならないし、嫌悪感を抱かれることだってある」
曜「それは、確かかもしれない」
曜「でもね、みんながそうじゃないんだ」
曜「受け入れて、心の底から祝福してくれる人だってたくさんいる」
曜「実際、私はこうして帰ってきた」
曜「帰ってこれたのは、みんなが味方になってくれたから」
ルビィ「それじゃあ……」
91: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:45:54.73 ID:PrNGIdaN
曜「最初はね、反対もされたよ」
曜「私のお父さんなんて泣いてたよ。ダイヤさんも複雑そうにしてて」
曜「けどね、ちゃんと正直に、誠実に想いをぶつけたら分かってくれた」
曜「理解して、祝福してくれた」
ルビィ「お姉ちゃん……」
曜「まあ、梨子ちゃんは『応援するわ!』って即答してくれたけど」
ルビィ「ふふっ、梨子ちゃんらしいね」
曜「だよね」
千歌「千歌ちゃんも、なにが今さらなんて感じで、さも当然のように祝ってくれて」
曜「それが凄くありがたくて、嬉しかった」
曜「私のお父さんなんて泣いてたよ。ダイヤさんも複雑そうにしてて」
曜「けどね、ちゃんと正直に、誠実に想いをぶつけたら分かってくれた」
曜「理解して、祝福してくれた」
ルビィ「お姉ちゃん……」
曜「まあ、梨子ちゃんは『応援するわ!』って即答してくれたけど」
ルビィ「ふふっ、梨子ちゃんらしいね」
曜「だよね」
千歌「千歌ちゃんも、なにが今さらなんて感じで、さも当然のように祝ってくれて」
曜「それが凄くありがたくて、嬉しかった」
92: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:46:42.70 ID:PrNGIdaN
曜「そんな感じで、数はそんなに多くないけど、心強い味方ができた」
曜「これできっと、少しだけ未来へ進めたはず」
ルビィ「……曜ちゃん」
曜「うん」
ルビィ「ありがとう」
曜「……寂しい思いをさせていたにお礼を言われると、少し変な気分だね」
ルビィ「でも、嬉しかったから」
曜「……そっか」
曜「これできっと、少しだけ未来へ進めたはず」
ルビィ「……曜ちゃん」
曜「うん」
ルビィ「ありがとう」
曜「……寂しい思いをさせていたにお礼を言われると、少し変な気分だね」
ルビィ「でも、嬉しかったから」
曜「……そっか」
93: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:48:17.64 ID:PrNGIdaN
曜「ねえ、ルビィちゃん」
ルビィ「うん」
曜「一つだけ、お願いをきいてもらってもいいかな」
ルビィ「お願い?」
曜「私たちの関係を強くするために、必要なことがあるの」
曜「ルビィちゃん、なんで私がこの大学を選んだか知ってる?」
ルビィ「なんで?」
曜「重要なことなんだよ」
ルビィ「……それは、一緒に住むのに都合がいい場所にあって、お互いに必要なことを学べるから?」
曜「そうだね、もちろんそれもある」
曜「でも他に選択肢もある中で、あえて選んだ理由は――これ」
ルビィ「うん」
曜「一つだけ、お願いをきいてもらってもいいかな」
ルビィ「お願い?」
曜「私たちの関係を強くするために、必要なことがあるの」
曜「ルビィちゃん、なんで私がこの大学を選んだか知ってる?」
ルビィ「なんで?」
曜「重要なことなんだよ」
ルビィ「……それは、一緒に住むのに都合がいい場所にあって、お互いに必要なことを学べるから?」
曜「そうだね、もちろんそれもある」
曜「でも他に選択肢もある中で、あえて選んだ理由は――これ」
94: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 08:49:21.09 ID:PrNGIdaN
ルビィ「同性、パートナーシップ制度?」
曜「うん、そうだよ」
曜「この地域にはね、日本では珍しい仕組みがある」
曜「自治体が、同性の恋人をパートナーとして認定してくれる制度が」
ルビィ「パートナー……も、もしかして」
曜「正確には、夫婦になれるわけじゃないけどさ」
曜「事実婚とか、今どき結構あるし」
曜「申請できるのは二十歳超えてからだし、まだ婚約みたいな感じになるけど――」
曜「ルビィちゃん」
曜「私と、結婚してください」
曜「うん、そうだよ」
曜「この地域にはね、日本では珍しい仕組みがある」
曜「自治体が、同性の恋人をパートナーとして認定してくれる制度が」
ルビィ「パートナー……も、もしかして」
曜「正確には、夫婦になれるわけじゃないけどさ」
曜「事実婚とか、今どき結構あるし」
曜「申請できるのは二十歳超えてからだし、まだ婚約みたいな感じになるけど――」
曜「ルビィちゃん」
曜「私と、結婚してください」
97: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:00:42.52 ID:PrNGIdaN
―七月十三日・マンション―
千歌「結婚おめでとー!」
曜「ちょっと千歌ちゃん、今日は善子ちゃんの誕生日だよ」
梨子「曜ちゃん、善子ちゃんには悪いけどそれどころじゃないわよ」
理亞「でも、ビックリした」
理亞「まさか渡辺曜とルビィが付き合っていたなんて」
果南「それどころか結婚だもんね、驚きだよ」
千歌「結婚おめでとー!」
曜「ちょっと千歌ちゃん、今日は善子ちゃんの誕生日だよ」
梨子「曜ちゃん、善子ちゃんには悪いけどそれどころじゃないわよ」
理亞「でも、ビックリした」
理亞「まさか渡辺曜とルビィが付き合っていたなんて」
果南「それどころか結婚だもんね、驚きだよ」
98: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:02:34.52 ID:PrNGIdaN
千歌「私、二人が付き合ってるのは前から知ってたよ~」
果南「へぇ、いつから?」
千歌「函館のお姉ちゃんたちに贈るライブの後、ルビィちゃんに頼まれて部屋を変わってあげたんだよね」
千歌「元々、私と曜ちゃんで同部屋だったから」
千歌「でもさ、よく考えたら荷物とか置きっぱなしでしょ」
千歌「それで取りに行ったら、中から艶めかしい声が……」
鞠莉「ワォ」
善子「生々しいわね」
曜「ま、マジか」
ルビィ「うぅ」
ルビィ(あの時、久しぶりだったうえに、吊り橋効果みたいな感じで激しかったから……)
果南「へぇ、いつから?」
千歌「函館のお姉ちゃんたちに贈るライブの後、ルビィちゃんに頼まれて部屋を変わってあげたんだよね」
千歌「元々、私と曜ちゃんで同部屋だったから」
千歌「でもさ、よく考えたら荷物とか置きっぱなしでしょ」
千歌「それで取りに行ったら、中から艶めかしい声が……」
鞠莉「ワォ」
善子「生々しいわね」
曜「ま、マジか」
ルビィ「うぅ」
ルビィ(あの時、久しぶりだったうえに、吊り橋効果みたいな感じで激しかったから……)
99: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:03:13.10 ID:PrNGIdaN
梨子「ち、千歌ちゃん。詳細について詳しく」
千歌「駄目だよ、流石にそれはマズい」
梨子「そ、そこを何とか」
千歌「うーん、まあ本人たちの許可があれば――」
曜「いやいや、絶対駄目だからね」
千歌「だって」
梨子「……そう」
曜「ちょっと、本気でガッカリしないでよ……」
千歌「駄目だよ、流石にそれはマズい」
梨子「そ、そこを何とか」
千歌「うーん、まあ本人たちの許可があれば――」
曜「いやいや、絶対駄目だからね」
千歌「だって」
梨子「……そう」
曜「ちょっと、本気でガッカリしないでよ……」
100: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:03:44.70 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「うぅ、ルビィが、私の可愛いルビィが、結婚……」
鞠莉「あらら、泣き出してる」
果南「さっきまで、ずっと笑顔で祝福してたのにね」
鞠莉「きっと複雑な感情が心の中で渦巻いているのよ」
花丸「ダイヤさん、気持ちは分かるずら……」
ダイヤ「あぁ、ルビィ……」
果南「大変だねぇ、お姉ちゃんも」
鞠莉「あらら、泣き出してる」
果南「さっきまで、ずっと笑顔で祝福してたのにね」
鞠莉「きっと複雑な感情が心の中で渦巻いているのよ」
花丸「ダイヤさん、気持ちは分かるずら……」
ダイヤ「あぁ、ルビィ……」
果南「大変だねぇ、お姉ちゃんも」
101: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:04:20.00 ID:PrNGIdaN
善子「はぁ、私の誕生日、すっかり取られちゃったわね」
ルビィ「ごめんね、タイミング悪くて」
善子「いいわよ、別に」
善子「曜さん、頑張って私の誕生日に帰ってきてくれたんだもの」
善子「それに、誕生日に大切な人たちが幸せになれるなんて、最高のことじゃない」
ルビィ「……やっぱり、善子ちゃんは善い子ちゃんだね」
善子「今日は素直に受け取っておくわ」
ルビィ「ごめんね、タイミング悪くて」
善子「いいわよ、別に」
善子「曜さん、頑張って私の誕生日に帰ってきてくれたんだもの」
善子「それに、誕生日に大切な人たちが幸せになれるなんて、最高のことじゃない」
ルビィ「……やっぱり、善子ちゃんは善い子ちゃんだね」
善子「今日は素直に受け取っておくわ」
102: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:05:13.10 ID:PrNGIdaN
ルビィ「でもさ、善子ちゃんは元々知ってたでしょ」
ルビィ「曜ちゃんが、いなくなった理由を」
善子「一応ね。曜さんに頼まれてたから」
善子「善子ちゃんを信じてるから、味方になってくれないか、なんて」
善子「旅に出る前、あらかじめ私だけに話して」
善子「なんだかんだ、甘いのよねあの人」
善子「私が他の人に話したら、どうなるか分かっていたのかしら」
ルビィ「信頼されてたんだよ、それだけ」
善子「あら、いいのかしら」
善子「その理屈だと、関係を秘密にしていた貴女より、曜さんの方が私を信頼してくれてることになるけど」
ルビィ「そ、そんなことはないよ」
ルビィ「曜ちゃんが、いなくなった理由を」
善子「一応ね。曜さんに頼まれてたから」
善子「善子ちゃんを信じてるから、味方になってくれないか、なんて」
善子「旅に出る前、あらかじめ私だけに話して」
善子「なんだかんだ、甘いのよねあの人」
善子「私が他の人に話したら、どうなるか分かっていたのかしら」
ルビィ「信頼されてたんだよ、それだけ」
善子「あら、いいのかしら」
善子「その理屈だと、関係を秘密にしていた貴女より、曜さんの方が私を信頼してくれてることになるけど」
ルビィ「そ、そんなことはないよ」
103: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:05:48.64 ID:PrNGIdaN
善子「分かってるわよ、冗談」
ルビィ「やっぱり堕天使……」
善子「ふっ、褒め言葉ね」
曜「おーっと、私の嫁をいじめるのはお前か!」
善子「げっ」
曜「そんな悪い子は曜ちゃんがたっぷり可愛がってあげよう~」
善子「ちょ、体育会系の可愛がりは洒落にならない!」
曜「大丈夫、悪魔の血を飲ませるだけだから」
善子「悪魔の……血?」
曜「そう、この日の為に特別に用意したんだ」
善子「なにそれ、凄く興味あるわ!」
曜「でしょー」
ルビィ「やっぱり堕天使……」
善子「ふっ、褒め言葉ね」
曜「おーっと、私の嫁をいじめるのはお前か!」
善子「げっ」
曜「そんな悪い子は曜ちゃんがたっぷり可愛がってあげよう~」
善子「ちょ、体育会系の可愛がりは洒落にならない!」
曜「大丈夫、悪魔の血を飲ませるだけだから」
善子「悪魔の……血?」
曜「そう、この日の為に特別に用意したんだ」
善子「なにそれ、凄く興味あるわ!」
曜「でしょー」
104: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:06:31.24 ID:PrNGIdaN
善子「早く飲ませて、早く!」
曜「焦らない焦らない~」
花丸「あーあ、あれは潰されるね」
ルビィ「だねぇ」
花丸「どうする、善子ちゃんが救急車で運ばれたりしたら」
ルビィ「大丈夫だよ、よーちゃんはそんなことしないから」
ルビィ「きっと善子ちゃんが楽しめるところまでだよ、飲ませるのは」
曜「焦らない焦らない~」
花丸「あーあ、あれは潰されるね」
ルビィ「だねぇ」
花丸「どうする、善子ちゃんが救急車で運ばれたりしたら」
ルビィ「大丈夫だよ、よーちゃんはそんなことしないから」
ルビィ「きっと善子ちゃんが楽しめるところまでだよ、飲ませるのは」
105: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:07:24.29 ID:PrNGIdaN
花丸「でも滅茶苦茶だよ、みんなお酒入ってて」
花丸「せっかく善子ちゃんの誕生日と、二人の結婚祝いの幸せな日なのに」
花丸「率先して乱しているのは、ルビィちゃん以外の主役たちだけど」
ルビィ「あはは、だね」
花丸「でもマルはルビィちゃんの為に、ちゃんとしてるよ」
花丸「おめでとう、ルビィちゃん」
ルビィ「ありがとう、マルちゃん」
花丸「せっかく善子ちゃんの誕生日と、二人の結婚祝いの幸せな日なのに」
花丸「率先して乱しているのは、ルビィちゃん以外の主役たちだけど」
ルビィ「あはは、だね」
花丸「でもマルはルビィちゃんの為に、ちゃんとしてるよ」
花丸「おめでとう、ルビィちゃん」
ルビィ「ありがとう、マルちゃん」
106: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:07:52.58 ID:PrNGIdaN
曜「おーい二人とも、写真撮ろうよ」
曜「みんな正気な内にさ~」
花丸「あっ、うん」
ルビィ「いこっか、マルちゃん」
花丸「……ねえ、ルビィちゃん」
ルビィ「うゅ?」
花丸「幸せになってね、曜ちゃんと」
ルビィ「……うん」
曜「みんな正気な内にさ~」
花丸「あっ、うん」
ルビィ「いこっか、マルちゃん」
花丸「……ねえ、ルビィちゃん」
ルビィ「うゅ?」
花丸「幸せになってね、曜ちゃんと」
ルビィ「……うん」
107: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:08:36.77 ID:PrNGIdaN
【エピローグ】
―カフェ―
曜「ふわぁ」
曜(温かい店内に居ると、眠くなるなぁ)
曜(気温差激しくなってきたし、そろそろ防寒着出さなきゃ)
曜(マフラーとか、手袋とかも……)
曜(流石に、高校のときに作ってあげたのは古くなったな)
曜(でも新しいのあげようとしても、『これがいいの!』って言われるし)
曜(まあ私も同じだから、お互いさまなんだけど)
―カフェ―
曜「ふわぁ」
曜(温かい店内に居ると、眠くなるなぁ)
曜(気温差激しくなってきたし、そろそろ防寒着出さなきゃ)
曜(マフラーとか、手袋とかも……)
曜(流石に、高校のときに作ってあげたのは古くなったな)
曜(でも新しいのあげようとしても、『これがいいの!』って言われるし)
曜(まあ私も同じだから、お互いさまなんだけど)
108: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:09:08.88 ID:PrNGIdaN
曜(それにしても遅いなぁ、ダイヤさん)
曜(待ち合わせの時間に遅れるなんて、珍しい)
曜(連絡もないし、事故とはじゃないよね――)
花丸「曜ちゃん」
曜「あれ、花丸ちゃん。どうしてここに?」
花丸「お願いしたんだ」
花丸「少しだけ、先に話をさせて欲しいって」
花丸「ダイヤさんは、離れた席で座って待ってくれてるよ」
曜「あぁ」
曜(それでダイヤさんは……)
曜(待ち合わせの時間に遅れるなんて、珍しい)
曜(連絡もないし、事故とはじゃないよね――)
花丸「曜ちゃん」
曜「あれ、花丸ちゃん。どうしてここに?」
花丸「お願いしたんだ」
花丸「少しだけ、先に話をさせて欲しいって」
花丸「ダイヤさんは、離れた席で座って待ってくれてるよ」
曜「あぁ」
曜(それでダイヤさんは……)
109: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:09:48.95 ID:PrNGIdaN
花丸「パートナーシップの件、正式に申請したんだね」
曜「うん、ルビィちゃんが二十歳超えたタイミングでね」
花丸「知ってる、ルビィちゃんから聞いたから」
花丸「結婚、おめでと」
曜「うわぁ、そっけないなぁ」
花丸「ルビィちゃんにはちゃんと盛大なお祝いをしたから問題ないよ」
曜「私には?」
花丸「駄目亭主にはこれぐらいでいいんだよ」
曜「うん、ルビィちゃんが二十歳超えたタイミングでね」
花丸「知ってる、ルビィちゃんから聞いたから」
花丸「結婚、おめでと」
曜「うわぁ、そっけないなぁ」
花丸「ルビィちゃんにはちゃんと盛大なお祝いをしたから問題ないよ」
曜「私には?」
花丸「駄目亭主にはこれぐらいでいいんだよ」
110: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:11:21.87 ID:PrNGIdaN
花丸「あぁ、心配ずら」
曜「なにがさ」
花丸「例えば、ルビィちゃんに無理やり、お酒を飲ませたりしないか」
曜「しないよ、そんなこと」
花丸「でも誕生日の後に善子ちゃんと会ったら、『あの日の翌日は地獄の業火のような苦しみを味わったわ……』とか言ってたし」
曜「それは梨子ちゃんが煽られた善子ちゃんが、勝手にワインをがぶ飲みしたせいだよ」
花丸「あー……想像できるずら」
曜「なにがさ」
花丸「例えば、ルビィちゃんに無理やり、お酒を飲ませたりしないか」
曜「しないよ、そんなこと」
花丸「でも誕生日の後に善子ちゃんと会ったら、『あの日の翌日は地獄の業火のような苦しみを味わったわ……』とか言ってたし」
曜「それは梨子ちゃんが煽られた善子ちゃんが、勝手にワインをがぶ飲みしたせいだよ」
花丸「あー……想像できるずら」
111: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:11:59.62 ID:PrNGIdaN
曜「心配しないで、私はルビィちゃんが大好きで、誰よりも大切にしたいと思ってるからさ」
曜「花丸ちゃんは、私を信じてくれないかもしれないけど」
花丸「……ううん、そんなことないよ」
曜「えっ?」
花丸「マルだって本心では、曜ちゃんのことを信頼してない訳じゃないんだ」
曜「それは、最近になってから変わったの?」
花丸「ううん、そんなことないずら」
花丸「昔からそうだった。一番心配だったのは、同性愛という事実」
花丸「曜ちゃんに突っかかったのは、嫉妬みたいな感情もあったから」
花丸「大切な友達を、取られちゃった気がして」
曜「花丸ちゃんは、私を信じてくれないかもしれないけど」
花丸「……ううん、そんなことないよ」
曜「えっ?」
花丸「マルだって本心では、曜ちゃんのことを信頼してない訳じゃないんだ」
曜「それは、最近になってから変わったの?」
花丸「ううん、そんなことないずら」
花丸「昔からそうだった。一番心配だったのは、同性愛という事実」
花丸「曜ちゃんに突っかかったのは、嫉妬みたいな感情もあったから」
花丸「大切な友達を、取られちゃった気がして」
112: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:12:42.11 ID:PrNGIdaN
曜(ああ、そっか)
曜(そうだよね、私だって昔、似たような思いを持っていたんだから)
花丸「幸せにしてあげてね、ルビィちゃんのこと」
花丸「ルビィちゃんを世界で一番幸せにできるのは、曜ちゃんだから」
曜「任せて、誰よりも幸せにしてみせる」
花丸「心強く、なったよね」
曜「ルビィちゃんのおかげでね」
花丸「流石、ルビィちゃんずら」
曜(そうだよね、私だって昔、似たような思いを持っていたんだから)
花丸「幸せにしてあげてね、ルビィちゃんのこと」
花丸「ルビィちゃんを世界で一番幸せにできるのは、曜ちゃんだから」
曜「任せて、誰よりも幸せにしてみせる」
花丸「心強く、なったよね」
曜「ルビィちゃんのおかげでね」
花丸「流石、ルビィちゃんずら」
113: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:13:10.14 ID:PrNGIdaN
花丸「それじゃあ、マルは帰るよ」
曜「いいの、これだけで」
花丸「脇役はこのぐらいで十分ずら」
花丸「それもう、必要なことは全部話したから」
曜「そっか」
花丸「じゃあね、曜ちゃん」
曜「うん」
花丸「今度は普通に遊ぼう、ルビィちゃんも一緒に」
曜「そうだね」
花丸「バイバイ、曜ちゃん」
曜「バイバイ」
曜「いいの、これだけで」
花丸「脇役はこのぐらいで十分ずら」
花丸「それもう、必要なことは全部話したから」
曜「そっか」
花丸「じゃあね、曜ちゃん」
曜「うん」
花丸「今度は普通に遊ぼう、ルビィちゃんも一緒に」
曜「そうだね」
花丸「バイバイ、曜ちゃん」
曜「バイバイ」
114: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:13:52.81 ID:PrNGIdaN
曜(花丸ちゃん……)
ダイヤ「曜さん」
曜「あっ、ダイヤさん」
ダイヤ「ちゃんと、話はできましたか」
曜「はい、おかげさまで」
ダイヤ「強い子ですね、あの子は」
曜「そうですね」
ダイヤ「曜さん」
曜「あっ、ダイヤさん」
ダイヤ「ちゃんと、話はできましたか」
曜「はい、おかげさまで」
ダイヤ「強い子ですね、あの子は」
曜「そうですね」
115: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:15:37.64 ID:PrNGIdaN
曜「それで、今日はどんな」
ダイヤ「具体的にどう――という話はありません」
ダイヤ「ただ一度妹の結婚相手と、将来についてしっかり話をしなければと考えまして」
曜「色々、ありますもんね」
ダイヤ「そうですね」
ダイヤ「結婚したといえ、まだまだ越えなければならない障害は多い」
ダイヤ「今後の動き方など、確認しておかなければ」
曜「ですね」
ダイヤ「具体的にどう――という話はありません」
ダイヤ「ただ一度妹の結婚相手と、将来についてしっかり話をしなければと考えまして」
曜「色々、ありますもんね」
ダイヤ「そうですね」
ダイヤ「結婚したといえ、まだまだ越えなければならない障害は多い」
ダイヤ「今後の動き方など、確認しておかなければ」
曜「ですね」
116: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:16:40.80 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「さて――本題に入る前に、少しだけ昔話をしてもよろしいでしょうか?」
曜「昔話、ですか」
ダイヤ「幼い頃の、ルビィのことです」
曜「ルビィちゃんの……」
ダイヤ「ルビィは昔から、誰からみても可愛らしい、魅力的な外見をしていました」
ダイヤ「だから、言い寄ってくる男の子は多かった」
ダイヤ「そして気の弱いあの子は、彼らを上手くあしらうこともできなかった」
曜「……」
曜「昔話、ですか」
ダイヤ「幼い頃の、ルビィのことです」
曜「ルビィちゃんの……」
ダイヤ「ルビィは昔から、誰からみても可愛らしい、魅力的な外見をしていました」
ダイヤ「だから、言い寄ってくる男の子は多かった」
ダイヤ「そして気の弱いあの子は、彼らを上手くあしらうこともできなかった」
曜「……」
117: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:17:24.95 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「そんなある日、ルビィの同級生の中のリーダー的な子から告白されました」
ダイヤ「数人の男子に強引に迫られ、付き合うように強要されそうになって」
ダイヤ「それは私の介入もあってお断りできたのですが、今度は少しいじめられるようになってしまって」
曜「いじめ……」
ダイヤ「暴力を振るわれたりしたわけではありません」
ダイヤ「いじめも、好きな子に意地悪をしてしまったような、じゃれ合い程度の内容」
ダイヤ「きっと大人から見れば、微笑ましい光景程度にしか見えないもの」
ダイヤ「しかしそれが、繊細なあの子には大きなトラウマになってしまったようで」
ダイヤ「数人の男子に強引に迫られ、付き合うように強要されそうになって」
ダイヤ「それは私の介入もあってお断りできたのですが、今度は少しいじめられるようになってしまって」
曜「いじめ……」
ダイヤ「暴力を振るわれたりしたわけではありません」
ダイヤ「いじめも、好きな子に意地悪をしてしまったような、じゃれ合い程度の内容」
ダイヤ「きっと大人から見れば、微笑ましい光景程度にしか見えないもの」
ダイヤ「しかしそれが、繊細なあの子には大きなトラウマになってしまったようで」
118: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:18:15.74 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「その時から悟ってはいました。妹の将来が難しくなることは」
ダイヤ「付き合いのある家のこと話すだけで泣きだし、握手をしたらパニックになり」
ダイヤ「本当に苦手だったんですよ、男の子が」
ダイヤ「将来、結婚なんて想像もできない」
ダイヤ「それでも両親や家の人間が無理やり、ルビィを利用しようとする」
ダイヤ「やさしいあの子は、自分を殺してそれを受け入れ、ずっと心に影を差したまま生きていく」
ダイヤ「恋愛もできず、道具として利用される」
ダイヤ「そんな最低な未来を、いつも想像して」
ダイヤ「付き合いのある家のこと話すだけで泣きだし、握手をしたらパニックになり」
ダイヤ「本当に苦手だったんですよ、男の子が」
ダイヤ「将来、結婚なんて想像もできない」
ダイヤ「それでも両親や家の人間が無理やり、ルビィを利用しようとする」
ダイヤ「やさしいあの子は、自分を殺してそれを受け入れ、ずっと心に影を差したまま生きていく」
ダイヤ「恋愛もできず、道具として利用される」
ダイヤ「そんな最低な未来を、いつも想像して」
119: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:20:20.00 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「そんな中、曜さんはある意味渡り船でした」
ダイヤ「同性愛、二人の関係を知るまで、想像したこともなかった愛の形」
ダイヤ「だから最初は、ただの遊びだと思っていました」
ダイヤ「私の世界には存在しえない、特殊な事柄」
ダイヤ「しかも私が知っていた当時の曜さんには、千歌さん以上に好意を持っている相手がいるとは思えませんでした」
ダイヤ「けれども、それでも構わなかったんです」
ダイヤ「あの子が一生経験できないはずだった恋という感情、大切な人との幸せな時間を得ることができるならと」
ダイヤ「そう長くは続かない、幻想のようなものだと考えながら」
ダイヤ「だから私は二人を助けてきました、貴女に失礼な言葉を投げかけながら」
ダイヤ「本当に、申し訳ありませんでした」
曜「それは、気にしないでください」
曜「悪いのは、隠していた私だから」
ダイヤ「同性愛、二人の関係を知るまで、想像したこともなかった愛の形」
ダイヤ「だから最初は、ただの遊びだと思っていました」
ダイヤ「私の世界には存在しえない、特殊な事柄」
ダイヤ「しかも私が知っていた当時の曜さんには、千歌さん以上に好意を持っている相手がいるとは思えませんでした」
ダイヤ「けれども、それでも構わなかったんです」
ダイヤ「あの子が一生経験できないはずだった恋という感情、大切な人との幸せな時間を得ることができるならと」
ダイヤ「そう長くは続かない、幻想のようなものだと考えながら」
ダイヤ「だから私は二人を助けてきました、貴女に失礼な言葉を投げかけながら」
ダイヤ「本当に、申し訳ありませんでした」
曜「それは、気にしないでください」
曜「悪いのは、隠していた私だから」
120: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:20:52.47 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「……そう言っていただけると、少しは心が楽になります」
ダイヤ「薄々は気づいていたんですよ、二人の関係、本心」
ダイヤ「それでも不安だったんです、曜さんとルビィが一緒になること」
ダイヤ「正直に言ってしまえば、どこか頼りないですから」
曜「……面目ない」
ダイヤ「この前だってそうです」
ダイヤ「何ですか、書き置き一つで連絡もせずに失踪するとは」
曜「いやぁ、黒澤家に歯向かったら消されるかなぁと思って」
曜「そうなりゃ旅に出て失踪の方が、ルビィちゃんは傷つかないかも――なんて」
ダイヤ「薄々は気づいていたんですよ、二人の関係、本心」
ダイヤ「それでも不安だったんです、曜さんとルビィが一緒になること」
ダイヤ「正直に言ってしまえば、どこか頼りないですから」
曜「……面目ない」
ダイヤ「この前だってそうです」
ダイヤ「何ですか、書き置き一つで連絡もせずに失踪するとは」
曜「いやぁ、黒澤家に歯向かったら消されるかなぁと思って」
曜「そうなりゃ旅に出て失踪の方が、ルビィちゃんは傷つかないかも――なんて」
121: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:21:45.59 ID:PrNGIdaN
ダイヤ「はぁ、いつの時代の話をしているのやら」
ダイヤ「大昔ならそんなこともあったかもしれませんが、現代ではあり得ないでしょう、そんなこと」
曜「たはは……」
ダイヤ「ただ、気持ちは分かります」
ダイヤ「私は妹の幸せを何よりも願い、その為に必要なことを理解していながら、ずっと踏み出せないでいた」
ダイヤ「曜さんに、いつの間にか強くなった曜さんに背中を押されるまでは」
ダイヤ「感謝しています、本当に」
曜「……お礼を言うべきなのは、私の方ですよ」
ダイヤ「大昔ならそんなこともあったかもしれませんが、現代ではあり得ないでしょう、そんなこと」
曜「たはは……」
ダイヤ「ただ、気持ちは分かります」
ダイヤ「私は妹の幸せを何よりも願い、その為に必要なことを理解していながら、ずっと踏み出せないでいた」
ダイヤ「曜さんに、いつの間にか強くなった曜さんに背中を押されるまでは」
ダイヤ「感謝しています、本当に」
曜「……お礼を言うべきなのは、私の方ですよ」
122: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:22:18.73 ID:PrNGIdaN
曜「本当に、大丈夫なんですか」
ダイヤ「平気ですよ、あの子は次女。私さえしっかりしていれば」
曜「ダイヤさん、それだと……」
ダイヤ「いいのです、私のことは」
ダイヤ「先ほども言いましたが、二人にはこれから多くの苦難が待ち受けているでしょう」
ダイヤ「きっと普通ではあり得ないような苦労も多いはず」
ダイヤ「でもそれは、あの子と、曜さんが選んだ道」
ダイヤ「苦労の分を優に超えるくらい、ルビィのことを幸せにしてあげてください」
曜「――はい」
ダイヤ「平気ですよ、あの子は次女。私さえしっかりしていれば」
曜「ダイヤさん、それだと……」
ダイヤ「いいのです、私のことは」
ダイヤ「先ほども言いましたが、二人にはこれから多くの苦難が待ち受けているでしょう」
ダイヤ「きっと普通ではあり得ないような苦労も多いはず」
ダイヤ「でもそれは、あの子と、曜さんが選んだ道」
ダイヤ「苦労の分を優に超えるくらい、ルビィのことを幸せにしてあげてください」
曜「――はい」
123: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:22:52.13 ID:PrNGIdaN
―――
――
―
ダイヤ「さて、行きましょうか」
曜「すみません、ご馳走になっちゃって」
ダイヤ「いいのですよ――あなたも大切な妹なのですから」
曜「えへへ」
ダイヤ「曜さん、この後の予定は?」
曜「ルビィちゃんが待ってるんで、素直に帰ろうと思います」
ダイヤ「そうですね、それが――あら」
――
―
ダイヤ「さて、行きましょうか」
曜「すみません、ご馳走になっちゃって」
ダイヤ「いいのですよ――あなたも大切な妹なのですから」
曜「えへへ」
ダイヤ「曜さん、この後の予定は?」
曜「ルビィちゃんが待ってるんで、素直に帰ろうと思います」
ダイヤ「そうですね、それが――あら」
124: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:23:48.55 ID:PrNGIdaN
ポツポツ
曜「雨、ですね」
ダイヤ「私は車を待たせてありますから、よかったら家まで送っていきましょうか」
曜「あー、傘も持ってないんで、ありがたい――」
ダイヤ「どうかしましたか?」
曜「すみません、やっぱり歩いて帰ります」
ダイヤ「気を使わなくても大丈夫ですよ」
曜「いえ、歩きたい気分なんです」
曜「今日は、ありがとうございました」
ダイヤ「はぁ」
曜「雨、ですね」
ダイヤ「私は車を待たせてありますから、よかったら家まで送っていきましょうか」
曜「あー、傘も持ってないんで、ありがたい――」
ダイヤ「どうかしましたか?」
曜「すみません、やっぱり歩いて帰ります」
ダイヤ「気を使わなくても大丈夫ですよ」
曜「いえ、歩きたい気分なんです」
曜「今日は、ありがとうございました」
ダイヤ「はぁ」
125: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:24:42.05 ID:PrNGIdaN
曜(さて、と)
曜(ダイヤさんになら、話してもよかったかな)
曜(でもわざわざ、こっそりと教えてくれたんだから、内緒にしたかったんだろうし――)
ルビィ「あっ、曜ちゃん」
曜「お待たせ、ルビィちゃん」
ルビィ「大丈夫、今来たところだよ」
曜「ありがとね、助かったよ」
曜(ダイヤさんになら、話してもよかったかな)
曜(でもわざわざ、こっそりと教えてくれたんだから、内緒にしたかったんだろうし――)
ルビィ「あっ、曜ちゃん」
曜「お待たせ、ルビィちゃん」
ルビィ「大丈夫、今来たところだよ」
曜「ありがとね、助かったよ」
126: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:25:15.35 ID:PrNGIdaN
ルビィ「曜ちゃん、天気予報みないでお出かけしたでしょ」
曜「家を出てすぐに、体感天気予報のおかげで降りそうなのには気づいたんだけどね」
曜「なんか取りに帰るのも面倒になってさ」
ルビィ「もう、本当に仕方ない人なんだから」
曜「本当にね、ルビィちゃんがいないと――あれ、私の傘は?」
ルビィ「ないよ」
曜「えっ」
ルビィ「最初はね、持っていくつもりだったの」
ルビィ「でもルビィの傘が一本あれば、十分かなって」
曜「ああ、なるほど」
曜「家を出てすぐに、体感天気予報のおかげで降りそうなのには気づいたんだけどね」
曜「なんか取りに帰るのも面倒になってさ」
ルビィ「もう、本当に仕方ない人なんだから」
曜「本当にね、ルビィちゃんがいないと――あれ、私の傘は?」
ルビィ「ないよ」
曜「えっ」
ルビィ「最初はね、持っていくつもりだったの」
ルビィ「でもルビィの傘が一本あれば、十分かなって」
曜「ああ、なるほど」
127: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:25:48.93 ID:PrNGIdaN
曜「でもこの年になると、少し恥ずかしくない?」
ルビィ「相合い傘、ルビィはしたいからいいんだもん」
ルビィ「それに傘を忘れた曜ちゃんに人権はないのだ!」
曜「やれやれ、我儘なお嫁さんだね――ほら、貸して」
ルビィ「えへへ」
曜「濡れないように、ちゃんと入ってるんだよ」
ルビィ「大丈夫だよ、曜ちゃんにくっついてるから」
曜「あはは、抱きつかれるとちょっと歩きにくい」
ルビィ「それがいいんだよぉ」
曜「うん、そうだね」
ルビィ「相合い傘、ルビィはしたいからいいんだもん」
ルビィ「それに傘を忘れた曜ちゃんに人権はないのだ!」
曜「やれやれ、我儘なお嫁さんだね――ほら、貸して」
ルビィ「えへへ」
曜「濡れないように、ちゃんと入ってるんだよ」
ルビィ「大丈夫だよ、曜ちゃんにくっついてるから」
曜「あはは、抱きつかれるとちょっと歩きにくい」
ルビィ「それがいいんだよぉ」
曜「うん、そうだね」
128: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:26:25.72 ID:PrNGIdaN
曜(ああ、幸せだな)
曜(愛しの君と、こうして触れ合い、時を共有する)
曜(何気ない時間が、砂糖のように甘く、一番星のように輝いて)
曜「ねえ、ルビィちゃん」
ルビィ「なぁに?」
曜「大好きだよ」
ルビィ「ルビィも」
曜「ずっと、一緒に居ようね」
ルビィ「――うん!」
完
曜(愛しの君と、こうして触れ合い、時を共有する)
曜(何気ない時間が、砂糖のように甘く、一番星のように輝いて)
曜「ねえ、ルビィちゃん」
ルビィ「なぁに?」
曜「大好きだよ」
ルビィ「ルビィも」
曜「ずっと、一緒に居ようね」
ルビィ「――うん!」
完
129: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2018/12/12(水) 13:27:42.23 ID:PrNGIdaN
以上です
最後まで読んでくださった方、応援してくださった方、ありがとうございます。
おかげさまで無事完結させることができました。
最後まで読んでくださった方、応援してくださった方、ありがとうございます。
おかげさまで無事完結させることができました。
131: 名無しで叶える物語(庭) 2018/12/12(水) 13:30:22.82 ID:t/hG30s7
おつおつ
楽しませてもらったよ
作中も不穏な雰囲気が続いてたけどなんやかんやハッピーでよかった
楽しませてもらったよ
作中も不穏な雰囲気が続いてたけどなんやかんやハッピーでよかった
132: 名無しで叶える物語(SB-iPhone) 2018/12/12(水) 15:05:41.89 ID:o5+6wOYG
乙でした
133: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/12(水) 15:37:35.78 ID:Cayq8taq
おつ
良かった
良かった
134: 名無しで叶える物語(魔王城門前) 2018/12/12(水) 16:17:49.97 ID:kIKPozXn
素敵だった
135: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2018/12/12(水) 16:36:25.68 ID:UYRTz9bw
|c||^.- ^||
136: 名無しで叶える物語(茸) 2018/12/12(水) 17:24:41.33 ID:dmXrmO4t
おつでした またたのむよ
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1544472952/

ルビィちゃん、だーいすき♡


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