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    九つ墓村SS

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    508: 名無しで叶える物語(泡盛) 2023/09/07(木) 22:53:23.01 ID:h8ZXCtPT
    懐中電灯を片手に曜の声がするほうへ歩いていく。

    これで外に出られる、そう思うと歩くペースも早く軽やかになった。

    善子「曜!どこにいるの!」

    曜「あっ、善子ちゃん……!こっちだよ!」

    一寸先は闇のなか、声を掛け合って合流を図る。

    再会できたのは、池から右の洞窟を通ってしばらく進んだ先の空間だった。

    曜「善子ちゃん!」

    善子「曜!」

    ようやく対面を果たす。

    オリーブ色のトレンチコートを着て、右手に懐中電灯をもつ曜は、笑顔で歩み寄る。

    いつも軽装の彼女が、めずらしい。善子は意外に思った。

    曜「やっとみつけたよ!探したんだから……」

    曜「洞窟の出口は美渡ねぇたちが見張ってるから、奥の方の出口に……」

    曜「さあ、行こう!」

    そういって左手を伸ばし、善子の手を掴む。

    善子「わかったわ、行きま――」

    うなずいた善子は手元に視線を向けた瞬間。

    善子「……ッ!」

    背筋に戦慄が走る。目を大きく見開き、後頭部を殴られたような衝撃を受けた。

    反射的に曜の手を振り払う。

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    352: 名無しで叶える物語(泡盛) 2023/08/19(土) 21:52:55.93 ID:JnKg7Mdb
    翌朝、いつものように母屋で朝食をとって離れに引き上げようとしたとき、よしみに呼び止められた。

    よしみ「あの、玄関で善子様に会いたいという方が……」

    誰かと尋ねれば、海未と絵里だった。

    善子「わかった。広間に通してちょうだい」

    もしかして昨日のことを見られたのか。気が気でない心持ちのまま広間へ向かう。

    障子を開けて、座敷に入ると海未と絵里が正座して待っていた。

    ふたりの顔を見たとき、何か異様な雰囲気を感じた。

    海未はこちらの様子を観察するような目つきで、一方の絵里は険しい顔をますます険しくして善子をにらみつけている。

    その目はまるで犯人と対峙するかのようであった。

    やはり、昨日のことを……。そう思った善子は追い詰められた心境になる。

    ふたりと対面するように座敷に座った。上座から一対二という構図で。

    善子「あの、何か……?」

    絵里「朝早くからどうもすみません。ちょっと聞きたいことがあって、ね」

    善子「はぁ」

    心臓のドキドキをおさえ、なんとか平静を装う。そして、次に来る質問に備えて身構える。

    絵里「……昨日の夜、何をしてましたか?」

    善子の背筋に緊張が走った。

    【善子「――九つ墓村?」第3話【大長編SS】】の続きを読む

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    168: 名無しで叶える物語(泡盛) 2023/07/24(月) 21:40:20.79 ID:lQ8O6sq/
    善子「ヒィッ!」

    口から心臓が飛び出そうなほど驚き、悲鳴をあげ、背後を振り返る。

    ルビィ「ピギッ!」

    善子「なっ……ルビィじゃないの……」

    そこには扉の前で怯えた様子のルビィがいた。驚いたのは自分のほうなのに。

    ルビィ「びっくりしたぁ」

    ルビィ「さっき座敷に行ったら、善子ちゃんがいないから探してたんだ」

    善子「そ、そう」

    ルビィ「ねぇ、そこで何してたの?」

    翡翠のような瞳で善子をまっすぐ見つめて尋ねてきた。少女のような純粋無垢な目つきで。

    善子「あ、あれよ……」

    善子「物音がしたから、気になって見に行ったの。そしたらネズミがいたのよ」

    とっさにごまかす。ルビィは、そうなんだ、とあっさり納得した。

    ルビィ「顔を洗ったあと、朝ご飯を用意しているから母屋に来てね」

    ルビィ「果南様を待たせてるから、ちょっと早めにね……」

    善子「わかったわ」

    どうやら果南とよしみは、夜中のうちに地下で何か用事を済ませたらしい。

    夜中に行われる黒澤家の秘密の儀式――隠れキリシタンか、悪魔崇拝か?

    妄想が膨らみ、ますます興味が湧いてきた。

    【善子「――九つ墓村?」第2話【大長編SS】】の続きを読む

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    5: 名無しで叶える物語(泡盛) 2023/07/13(木) 19:50:14.02 ID:qMJ+1WDB
    東京に住む津島善子が伊豆半島にある、その不気味な村の名前を初めて聞いたのは、職場を訪ねてきた園田海未と名乗る私立探偵からだった。

    昭和二十七年の梅雨明けした初夏のことである。

    海未「はい。その黒澤家から、あなたを探すよう依頼されてお伺いした次第で」

    職場の応接間で善子と相対するよう腰かけた海未は、帽子をとるなりそういった。

    善子「なによそれ。知らないわ、そんな気持ち悪い村の名前も、その――」

    海未「黒澤家です」

    善子「その黒澤家とかいうのも」

    怪訝そうな表情を浮かべる善子をよそに、海未は話を続ける。

    海未「その家の、あなたのご親族が身柄を引き取りたいとの要望なのです」

    善子「なぜ今更……?いままで放っておいたのに」

    海未「それは、私からは詳細をお伝え出来ませんので」

    海未「私の知り合いの法律事務所に黒澤家の代理人弁護士を待たせておりますので、このあとご一緒にいきましょう」

    海未「ここから近いので、ぜひ!」

    善子「はぁ……」

    この私立探偵の勢いに押され、渋々応じた。

    【善子「――九つ墓村?」第1話【大長編SS】】の続きを読む
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